スペインにも退職者向けのリタイアメントビザの制度があるのですが、在日スペイン大使館等、日本語での公式情報は見当たりません。以下が理由のようです。
年に何回も規定が変わることから、大使館では情報の錯綜を防ぐために情報の公開を避けています。
ヨーロッパ・リタイアメント制度一覧
ただ、在米スペイン大使館のサイトに情報があるので、そちらを中心に情報をまとめてみました。頻繁に変わる可能性があることにご留意下さい。
概要
- 年齢制限は無し
- 必要な収入は25,560ユーロ/年(約332万円)、2,130ユーロ/月(約28万円)
- 不動産収入、給与収入は対象外
- 就労不可
- スペイン国外の企業向けのリモートワークは可能?(詳細は後述)
- 有効期間は1年、以降2年ごとに更新
- 5年経過後は、永住権の取得可能
- 年間183日以上、スペインへの滞在義務あり
- 満たさない場合、ビザの更新は不可
- 正式には「非営利目的査証」(英: Non-Lucrative Visa、西: Visado de Residencia No Lucrativa)
取得の方法
流れ
基本的には在日スペイン大使館で完結するのですが、住居の証明が必要なため、以下の流れが一般的かと思います。
- スペインに渡航
- 賃貸契約(あるいは不動産の購入)
- 帰国
- 在日スペイン大使館でビザの申請、面談
- 審査(2〜3ヶ月)
- 在日スペイン大使館でビザ取得
- ビザ取得後、3ヶ月以内にスペインに渡航
必要な書類
以下のページの情報は、サイトの管理者が直接大使館に問い合わせたそうなので、確実だと思います。
こちらのページから引用します。
- 申請書
- 写真(4.5 X 3.5cm・背景は白)
- パスポート(スペイン入国日より1年以上有効なもの及び、余白2ページ以上)
- パスポートのコピー1部(写真と個人データのページ)
- パスポートのコピー認証手数料 417円
- 無犯罪証明書(18歳以上のみ必要)
- 健康診断書(指定病院無し・発効から1ヶ月以内のもの)
- 経済的な収入証明書
- 宿泊証明(賃貸契約書・売買証明書)
- 居住許可申請書(申請費用 1418円)
- 海外旅行保険(滞在期間をカバーしているもの)
- 日本の連絡先を記入したメモ
- 返信用定型封筒1通(自分の名前や住所を記入し82円切手/2人以上の場合は92円切手を貼る)
- 手数料合計 1835円(417円+1418円)
引用ここまで。
補足
リモートワーク可能?
本ビザでは就労不可ですが、スペイン国外の企業向けのリモートワークに関しては記載がありません。
複数の業者のサイトを見たところ、
- リモートワーク可能
- ビザ申請の却下理由になり得るので、伏せておいた方が良い
- リモートワークも不可
という意見が混在していました。
また、大使館のサイトには良いとも悪いとも書かれていないため、詳細は大使館に問い合わせた方が良いと思います。ただ、やぶ蛇となる可能性もありますので、リモートワークをする予定の人は、伏せておくのが無難かもしれません。
就学・投資は可能
本ビザでは、就学も不動産を含む投資も可能です。基本的には退職者向けのビザなので、就学する人はあまりいないと思いますが、投資をする人は結構多いと思います。
まとめ
スペインでは、ヨーロッパでは数少ないリタイアメントビザの制度があります。求められる要件は高くないものの、情報が少なく制度も良く変わるようなので、まずは在日スペイン大使館に問い合わせてみるのが良いと思います。