日本人にとって人気の観光地であるイタリアで、デジタルノマドビザが導入されたというニュースが入ってきました。日本語の以下の記事を見た方がいるかもしれません。
欧州のデジタルノマドビザ、難易度で各国を比較 イタリアも参入 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
この記事に条件なども書いてあるのですが、詳細な手続きとかまでは分からないため、公式情報を探してみました。
結論から言うと公式情報はまだ発表されていないようです。以上!と終わらせてしまうのもどうかと思いますので、本記事では各種情報の紹介やビザの概要などを説明します。
各種ウェブサイトの紹介
色々なページでイタリアのデジタルノマドビザについて書かれていましたので、いくつかを紹介します。
日本語の情報
日本語だと在日イタリア商工会議所のサイトに以下のページがありました。公的な情報では無いものの、信頼できると思われる組織が書いている情報ですので、信頼性は高そうです。
イタリア ノマドビザ:要件・申請方法などについて – ICCJ
このページを読んでいくと、末尾に「記事:マッツェスキ法律事務所」という記載があることに気づきました。「マッツェスキ法律事務所」という法律事務所に依頼して書いた記事のようです。
「マッツェスキ法律事務所」の記事
以下のページが「マッツェスキ法律事務所」の記事だと思います。
Italy’s Digital Nomad Visa: Finally a dream comes true? | Mazzeschi Legal Counsels
気になった箇所だけ引用しておきます。
The visa is exempt from the “quota” limits, and it is not necessary to apply for a work permit (nulla osta) for entry as a digital nomad (professional or freelancer), or as a remote worker (employee or collaborator of a company).
(略)
Further details will be issued as soon as the implementing decree is available.
Italy’s Digital Nomad Visa: Finally a dream comes true? | Mazzeschi Legal Counsels
ビザ発行数に制限は無く、就労許可証(nulla osta)の取得が不要との事ですが、詳細はこれから発表されるようです。
nulla osta については、以下の記事で少し触れていますので、もし良ければご参照ください。
イタリアの弁護士事務所による詳しい記事
色々検索したところ、イタリアの弁護士事務所による以下の記事と
Italian visa for digital nomads: at last it is real | Italian Visa – LEXIA
そこからリンクされている以下の PDF ファイルに詳しい情報があったので紹介します。
Digital-Nomad-Articolo-ENG..pdf
弁護士事務所なのでそんなに変な情報は書かないはずです。
この PDF によると、手続きとしては居住国の大使館・領事館で National Visa を取得し、イタリア入国後に滞在許可を得るという流れのようです。nulla osta は不要な点は違いますが、上の方にリンクを貼った、イタリアのフリーランス向けビザと似たような流れのようです。
その他気になった記事
その他、検索していたら以下のような情報を見つけました。イタリアのデジタルノマドビザは、発表はされたものの公式にはまだ受け付けていないようです。
However, in practice, applications for Italy’s digital nomad visa are not yet officially being accepted since the government and the consular authorities are working together to implement the application procedures.
Italy Digital Nomad Visa (Remote Work Visa) 2024: Requirements & How to Apply | Citizen Remote
概要
最後に、ビザの概要を書いておきます。
- 主な要件(在日イタリア商工会議所のサイトより引用)
- 年収が約2万8000ユーロ以上であること。
- イタリアでの滞在期間を全てカバーする海外医療保険に加入していること。
- イタリアでの滞在先(住居)に関する書類を提出すること。
- デジタルノマドまたはリモートワーカーとしての活動経験が6カ月以上あること。
- リモートで働く従業員の場合、「高度なスキル」を必要とするポジションが記載された雇用契約書を提出すること。
- 有効期限は1年で、何度でも更新可能(上述のイタリアの弁護士事務所による PDF より)
- 正確には、滞在許可を更新する形(詳しくは、上の方に記載のイタリアのフリーランス向けビザ記事を参照)
- 少なくとも180日に1回イタリアに滞在すれば更新可能
まとめ
イタリアのデジタルノマドビザは公式情報はまだ出ていないようですが、色々な情報を総合すると、取得はそれほど難しくは無さそうで、何度でも更新が可能そうです。
詳しい情報が出てきたら、改めて記事にしたいと思います。