本ブログの主な対象読者は非富裕層ですので、節税目的で移住する方は少ないと思います。ただ、富裕層で無いにしても、海外移住に際して税金を減らしたいと思うのは当然でしょう。
今回は、「属地的課税」の国とそうした国への移住を使った節税方法を紹介します。
免責等
私は税理士ではありません。私の顧問税理士やインターネット上の税理士さんの意見など、専門家の意見を参考に、なるべく正確な内容を記述するよう努めていますが、内容の正確性などに関しては一切保証出来ません。
また、私は税理士では無いので、この件に関する質問・相談にはお答えできません。(税務相談は、税理士の独占業務のため。)国際税務に詳しい税理士におつなぎすることは出来ます。
以下、本題に入ります。
全世界所得課税と属地的課税
まずは用語の説明から入ります。属地的課税(方式)と、ある意味それと反対の概念である全世界所得課税(方式)について説明します。それぞれ、日本語・英語で複数の用語があるので、わかりやすいようにまとめておきます。
- 全世界所得課税、居住地国課税 (worldwide taxation system, residence based taxation system)
- 属地的課税、国内源泉所得課税、源泉地国課税 (territorial taxation system)
前者の全世界所得課税ですが、日本もこの方式です。この方式の国の場合、日本に住んでいる場合、日本からの所得だろうと海外からの所得だろうと、日本の法律に従って税金が課されます。
一方、属地的課税の国、つまり今回の記事の対象となる国ですが、そうした国に住んでいる場合は、その国で発生した所得はその国で課税されますが、それ以外の国で発生した所得に関しては所得が発生した国で課税される、という仕組みです。
ただ、ややこしいのが、「territorial taxation system」などの定義が文脈・場合によって異なることです。例えば、「日本は territorial taxation system だから云々」という文章に出会ったりもします。本記事では、上に挙げた定義に従って話を進めます。