エストニアのデジタルノマドビザ

北欧のIT先進国であるエストニアで、デジタルノマドを対象としたビザの制度が2020年8月に始まりました。

公式情報はこちら。

Digital Nomad Visa | e-Residency

エストニアとは

詳しくは Wikipedia などを見てもらうとして、ここでは簡単にエストニアについて紹介します。

エストニア – Wikipedia

地理: バルト三国の1つ

地理的には所謂バルト三国の1つで、北欧にあります。ロシアと面していて、フィンランドとは海を挟んで向かい合わせ、と書けば、大まかな位置は分かってもらえるかと思います。

政治経済: EU、シェンゲン協定加盟国

政治的には EU、シェンゲン協定加盟国であり、NATO にも加盟しています。また、通貨はユーロですし、シェンゲン協定に加盟しているので、加盟国間の移動時に検査とかも無いです。

つまり、日本人が一般的に考えるような EU 加盟国の一つです。

IT 先進国

日本人に取ってエストニアというと「電子政府」が有名だと思います。エストニアでは、行政サービスのほとんどはオンラインで可能で、個人の ID カード(日本でいうとマイナンバーカード)が運転免許証などにもなっているようです。

デジタルノマドビザ(DNV)概要

まずは、デジタルノマドビザ(以下、DNV)の概要です。

  • 最大1年間エストニアに滞在可能
    • 延長は不可
  • リモート(オンライン)で働ける人が対象
    • エストニア国外の企業の社員
    • エストニア国外の企業のオーナー等
    • エストニア国外の顧客と主に取引するフリーランス
  • 申請費用は100ユーロ(※)
  • 申請前の6ヶ月間、最低3,504ユーロ/月の収入があること

※: 90日以内の場合は80ユーロ

エストニアには、e-Residency という、オンラインで簡単にエストニア法人が作れる仕組みがあるのですが、それとは全く別物です。e-Residency では、エストニアに物理的に滞在することは出来ません。

詳細説明

次に、DNV の詳細について説明していきます。

さすが、IT 先進国であるエストニア。デジタルノマドビザ取得に関する「良くある質問」もネットにまとまっています。

FAQs about Estonia’s Digital Nomad Visa | by Hannah Brown | E-Residency Blog, E-residentsuse blogi | Medium

基本的にはこのページを読めば大半の問題は解決するのですが、英語が苦手な方もいると思うので、重要と思われる部分を解説します。

滞在期間

概要のところにも記載した通り、DNV でエストニアに滞在できる期間は最大で1年間です

延長は不可ですが、DNV の有効期限である1年経つ前に再度申請することも可能です。再申請を繰り返せば半永久的にエストニアに滞在できるかと思ってしまいますが、EU 加盟国の場合、DNV のような長期滞在ビザでは、連続した730日(=2年)のうち548日(1.5年)までしか滞在できないとのことです。つまり、DNV の延長をしても最長で1.5年しかエストニアに滞在できません(FAQ #21)。

収入の証明

基準となるのは116.80ユーロ/日=3504ユーロ/月です。

申請者は、過去6ヶ月の収入が少なくとも3504ユーロ/月であることの証明書を提出する必要があります。

手続き

公式サイトによると、手続きは以下のように流れのようです。

  1. 申し込みフォームに記入する
  2. 印刷して署名する
  3. 駐日エストニア大使館ウェブサイトよりビザ申請の予約をする
  4. 大使館で申請書(及び収入の証明など)を提出する

書類さえちゃんと揃っていれば、国内で手続きが完結しますし、非常に簡単に取れそうです。

まとめ

エストニアのデジタルノマドビザは、手続きが簡単で条件も厳しくなく、最大1年間(2度申請することで1年半)エストニアに滞在できるビザです。リモートで仕事が可能な人で、しばらく日本を離れたい人とかには良い制度では無いでしょうか。

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