以下のページで触れたように、本サイトでは「300万円くらいは何とか用意できる」人を対象読者としています。
では、実際のところ、いくらくらいあれば海外移住が出来るのでしょうか。もちろん国や個人の状況によって大きく異なるとは思いますが、一般的な話をしていこうと思います。
必要なお金の種類
海外移住に必要なお金は、主に以下の3種類だと思います。
- ビザ・ステータスを取得するのに必要なお金
- 引っ越し費用
- 当座の生活費
ビザ・ステータスを取得するのに必要なお金
ビザ・ステータスを取得するのに必要なお金は、以下のように細分化できます。
- 申請自体にかかる費用、預託金など
- 申請代行業者に支払う費用
- 申請のために現地に行く際の飛行機代・現地での滞在費
- 申請の条件となる預金残高・資産額など(実際に支払う必要はない)
引っ越し費用
ビザ・ステータスを無事取得したとしても、現地に移住するためには別途お金がかかります。主なものは以下の通りです。
- 日本の住居を引き払うための費用
- 渡航のための飛行機代
- 荷物を現地に送る場合、輸送費
- 現地住居の保証金・前家賃(賃貸の場合)、あるいは購入代金
当座の生活費
移住の前後は色々とバタバタして仕事もあまり出来ず、一時的に収入が減ることが多いと思います。そのため、数ヶ月分は生活費を用意しておいた方が安心です。
具体的な費用は?
具体的な費用は、ビザ・ステータスの種類や個人の状況によって大きく違いますので、ここでは最安値に近いケースで考えます。
ビザ・ステータスを取得するのに必要なお金
最安はどこの国?
数ヶ月〜数年といった「長期滞在」ではなく「永住」が目的の場合、一番安いのは恐らくフィリピンの「SRRV スマイル」です(以下のリンクを参照)。
・・・と思ってたのですが、以下の条件を満たせるのであれば、もっと安く移住出来ます。
- 滞在義務があっても良い(一定日数以上滞在していないと更新が出来ない)
- ポルトガルの D7 ビザなど
- フリーランスとして海外での需要がある
- 各国のフリーランス向けビザ
初期費用200万円未満で取得出来るステータスは「200万円未満」のタグをつけてまとめてありますので、以下のリンクより参照して下さい。
SSRV の取得関連費用は?
その初期費用を大雑把に出してみます。
まずは以下の3つですが、これらは金額が決まっています。
- 預託金: 2万ドル
- 申請料: 1400ドル
- 3年分の年会費: 360ドル x 3
以下は、選択肢によって値段が変わりますので、一番安いパターンを記載します。
- 申請代行業者の手数料: 10万円程度
- 申請のために現地に行く際の飛行機代: 往復4万円程度
- 現地での滞在費: 1500円 x 40日(ゲストハウス等)
為替レートにもよりますが、ここまでで270万円程度です。
引っ越し費用
引っ越し関連費用も
- 現地に大きなもの(典型的なのは車)を持っていくか
- 日本での住居を引き払うか
- 住む場所
などによって大きく変わりますので、ここでは以下のようなケースを考えます。
- 日本では実家暮らし、親との同居など、引き払う必要はない
- フィリピンに移住
- 現地にはパソコン、最低限の服くらいしか持っていかない
- 現地では安いアパートを借りる
この場合、かかる費用としては
- 渡航のための飛行機代: 約3万円
- 現地住居の保証金・前家賃: 約4万円(※)
※: 治安の悪い場所に住むことはお勧め出来ないので、ここは最安値ではありません
当座の生活費
最後に生活費ですが、最低2ヶ月分は用意しておいた方が良いです。これも国によって大きく異なりますが、フィリピンの場合、家賃・光熱費・食費で月に10万あれば、とりあえずは生きていけます。
従って、当座の生活費として用意しておきたいのは約20万円ですね。
まとめ
以上をまとめると、約300万円あればかなりギリギリですがフィリピンに移住が出来そうです。
とはいえ、こうしたことにはトラブルはつきものなので、少なくとも50万円、できれば100万円くらいは余裕を持っておいた方が良いです。
私自身も初めて海外に移住したときは、事前に貯金をして、かなり余裕を持たせてから渡航しました。当時はインターネット経由で出来る仕事が少なく現地で仕事を探す必要があったのですが、お金に余裕があったおかげで、仕事が見つかる前も(今振り返ってみれば)楽しく生活を送ることが出来ました。
350万〜400万円というと大金ですが、ちょっと良い車を買うとそれ位かかりますし、庶民でも何とか貯められるお金だと思います。
海外に住んで得られる経験は、日本ではなかなか得られないもので、400万円以上の価値があると断言できます。まだお金が貯まっていない人は、是非頑張ってお金を貯めましょう!
今回は「永住」の話でしたが、1年〜数年程度の移住であれば、あるいは滞在義務があるステータスで良ければ、必要な金額はグッと下がります。それについては別途記載します。