ヨーロッパとアジアの境あたりに位置する、旧ソ連のジョージアでも、リモートワーカー向けのビザがありますので、それについて紹介します。正式名称は “Remotely from Georgia” というようです。以下、申し込みフォームです。
Remotely from Georgia Application Form
(2022年4月17日現在、フォームが inactive となっていて申し込み出来ません)
日本人はビザ無しでも1年間滞在可能
ただ、いきなり話の腰を折ってしまいますが、そもそも日本人であればジョージアにはビザ無しで1年間滞在可能です。
滞在の条件は以下の通りです。
- 日本国籍(日本を含む50カ国)
- 6ヶ月以上有効なパスポート
- 査証欄の空きが1ページ以上
- 滞在期間をカバーする旅行保険の加入
知る人ぞ知るという感じではあったのですが、実はジョージアはビザの取得や入国に関する規則が緩い国です。
- ビザ無しで1年間滞在可能(上述の通り)
- 一度、隣国に出国した後、再度ジョージアに入国すると再度1年間滞在可能
- リモートワーク等の労働は可能(※)
ただ、場合によってはビザ無しより Remotely from Georgia のビザを取得した方が良いケースもあると思いますので、それについては後の方で記載します。
※: 多くの国では、ビザ無し渡航は観光や仕事での出張を想定しており、現地で仕事をして定住するという事は想定しておらず、法的にはグレーゾーンです。実際に警察や入管から指摘されることはほとんどありませんが。
コロナ関連の情報
以下の情報を見る限り、2021年6月3日現在、いくつかの条件はありますが、ジョージアへのビザ無し渡航は可能のようです。
- 外務省 海外安全ホームページ|新型コロナウイルス関連情報(入国要件に関する新たな発表)
- How To Enter Georgia During COVID-19
- Finally! Apply For The Georgian Remote Worker Regime – 1 Year Visa-Free Stay
ジョージア関連のサイト・ページによっては、コロナによって現在はビザ無し渡航が停止されていると書かれていますが、恐らく少し古い情報だと思います。
Remotely from Georgia の概要
ようやく本題です。ジョージアのリモートワーカー向けビザである Remotely from Georgia の概要です。
- 最大1年間ジョージアに滞在可能
- 以下の人が対象
- フリーランス
- ジョージア国外の企業の社員
- 起業家(自分のビジネスを持っている人)
- 2000ドル/月の収入が必要
- 費用は無料
- 旅行保険に入っている必要がある
- オンラインフォームで申請
ジョージア国外に収入があれば、1年間ジョージアに滞在できるという、最近では良くあるリモートワーカー向けのビザです。
ジョージアとは
旧グルジア。アメリカ合衆国ジョージア州とは別物
ジョージアは、昔は日本語でグルジアといっていた、旧ソ連の国です。概要は Wikipedia を参照して下さい。
ジョージアと言えば、缶コーヒーやアメリカのジョージア州を思い浮かぶ人がいるかもしれませんが、それらとは全く関係ありません。
非EU、東ヨーロッパ
ジョージアは位置的には西アジアに位置しますが、旧ソ連ですし EU への加盟を志向していることから、政治的には東ヨーロッパと言えます。
EU には加盟していませんので、エストニアなどと異なり、EU 加盟国への移動は、通常の入国審査が必要です。
文化・観光・その他
ジョージアは気候的には日本と割と近く、春・秋が過ごしやすいようです。
ジョージアワインは割と有名なので、ワイン好きの人であれば一度行ってみたいところではあります。
また、ジョージアはヨーロッパ(地理的には西アジアですが)にしてはかなり物価が安いため、ジョージアが肌に合う人であれば、長期滞在しやすい国ようです。
ビザ無し渡航ではダメ?
今後無くなる可能性もある
ビザ無しで1年間滞在できるという制度は2015年に開始しました。一方、Remotely from Georgia は2020年にできました。
日本人にとっては、ビザ無しでも Remotely from Georgia でも、1年間滞在可能で、リモートの仕事を現地で出来ます。同じような事が出来るのに、なぜ収入要件がある Remotely from Georgia という制度を後から作ったのでしょうか。
恐らく、ビザ無しで1年間滞在できるという制度は、今後廃止されるか、他の国と同様に日数が90日までに変更されるのでは無いでしょうか。
Remotely from Georgia を選ぶべきケース
最初に書いた通り、日本人であればビザ無しで1年間滞在できます。ビザ無し滞在の対象国以外(先進国だと例えばオーストラリア)であれば、長期滞在には Remotely from Georgia を選ぶしかありませんが、日本人であれば今のところ必要性はありません。
ただ、上の方で書いた通り、ビザ無し滞在は新型コロナによって一度停止された経緯があります。今は再開されていますが、今後状況が変わる可能性があるため、それに備えて Remotely from Georgia を取っておくという選択肢もありそうです。(ただ、そもそもジョージアへの渡航は、外務省から渡航中止勧告がでていますが。)
まとめ
現在、ジョージアにはビザ無しで最大1年間滞在できます。ただ、ビザ無しでの長期滞在は、今後出来なくなる可能性も噂されています。もしそうなった場合、昨年導入された Remotely from Georgia というビザで、ジョージアに1年間滞在できます。
Remotely from Georgia は、2,000ドル/月の収入要件はありますが、比較的簡単に取得出来ますので、フリーランスの人は検討しても良いと思います。