カリブ海の小国アンティグア・バーブーダでも、デジタルノマド向けのビザである Nomad Digital Residence Visa (以下、NDRビザ)があります。
アンティグア・バーブーダとは
カリブ海にあるマイナーな国(・・・のはず)
そもそもこの国の存在を知っている人は少ないと思います。私も調べ始めるまでは国の名前すら聞いたことがありませんでした。
カリブ海の国だと、ジャマイカ、キューバ、ハイチ、ドミニカ共和国、トリニダード・トバゴくらいまではそこそこ有名だと思いますが、それ以外にも結構色々あるんですね。興味のある方は以下のページを参照して下さい。
ちなみに、私はアンティグア・バーブーダ以外ですと、ベリーズ、セントクリストファー・ネイビスも初耳でした。
また、検索しても、日本語の旅行記はかなり少ないので、日本人の場合は相当な旅行好き以外は訪れたことは無さそうです。
Wikipedia も、日本語のページは大した情報が無かったので、英語のページを読んだ方が良さそうです。
高級リゾート
英語版 Wikipedia やいくつかのウェブサイトによれば、アンティグア・バーブーダの主要産業は、多くのカリブ海諸国と同様で観光です。
高級リゾートのようで、欧米の富裕層も多く訪れるようです。”Antigua and Barbuda hotels” で検索すると以下のような素敵なホテル・ヴィラが沢山出てきます。新婚旅行でいく人も多いみたいで、日本人にとってのニューカレドニアとかそんな位置づけのような気がします。
- Blue Waters Resort | Luxury Caribbean All Inclusive Hotel & Resort In Antigua
- Cocos Hotel Rates – An All Inclusive Antigua Resort For Couples & Adults Only
- Galley Bay Resort & Spa – Antigua All Inclusive Adults Only
物価は先進国より少し安いくらい
観光ならともかく、半年やそれ以上の長期滞在であれば物価も気になります。
物流があまり整っていない島国の場合は物価が高くなりがちですが、アンティグア・バーブーダもその例に漏れません。また、高級リゾートということもあり、物価は先進国より少し安いくらいです。
ただ、リゾート地を外して滞在すれば、滞在費は抑えられそうです。
英語が公用語
元々イギリスの植民地だったので、公用語は英語です。現地の人はいわゆるクレオール語を話す人も多いようです。
仕事の環境は?
ネットは以下のページにある通り速くないようですが(2021年6月3日現在、世界146位)、リゾートホテルとかが沢山ある観光地なので、観光客がホテルでメールや SNS をするのに困らないくらいの速さはありそうです。
Antigua and Barbuda’s Mobile and Broadband Internet Speeds – Speedtest Global Index
ただ、大容量ファイルを多く扱うような仕事の人だと辛いのかもしれません。動画をアップロードする YouTuber とか。
NDR ビザの概要
さて、ここから本題です。アンティグア・バーブーダのデジタルノマドビザである NDR ビザについて説明します。以下が公式情報のようです。
NDR Visa – Antigua Nomad Digital Residence
- 最長2年間滞在可能
- 手数料が比較的高額
- 1人の場合: 1,500ドル(約16万円)
- 夫婦など、2人の場合: 2,000ドル(約22万円)
- 3人以上の家族の場合: 3,000ドル(約33万円)
- 年間50,000ドル(約550万円)以上の収入の証明が必要
- オンラインで申請可能(現地に行く必要は無い)
- 銀行口座の開設は(恐らく)可能
- 現地企業への就労などは不可(したい人も少ないと思いますが)
手数料や求められる収入が比較的高額ですし、渡航費もそれなりにかかりますので、ある程度お金がある人が対象となりそうです。
申請手続き
流れ
- 必要な書類を集める
- オンラインで申請する(その際に、クレジットカードで手数料を支払う)
- 審査が通れば、メールで連絡が来る
現地に渡航せずに完結するので、資料さえ集めてしまえば簡単なはずです。
必要書類
- 写真
- パスポート
- 出生が証明できるもの(戸籍謄本)
- 滞在期間をカバーできる医療保険の証明書
- 無犯罪証明書
- 給与明細等、就労あるいは自営であることを証明できる書類
- 年間5万ドル相当以上の収入が2年間あることを証明できる書類
家族を連れて行く場合には必要な書類が増えますので、詳しくは上の方でリンクを貼った公式サイトで確認して下さい。
必要な金額
概要のところにも書きましたが、手数料は以下の通りです。
- 1人の場合: 1,500ドル(約16万円)
- 夫婦など、2人の場合: 2,000ドル(約22万円)
- 3人以上の家族の場合: 3,000ドル(約33万円)
それ以外に、年間5万ドル相当の収入があることを証明する必要があります。
NDR ビザの申請はオンラインで出来るため、現地に渡航する必要はありません。無事ビザが取れて現地に渡航する際には、日本からの直行便は出ていないため、アメリカ経由で行くのが一番便利だと思います。航空券の値段としては、20万円以上は見ておくべきでしょう。
出来ること・出来ないこと
海外の仕事をする事は可能(当たり前)
デジタルノマドビザですので、アンティグア・バーブーダに住みながら、他の国の仕事をする事は認められています。当たり前ですね。
現地の仕事をする事は出来ない
NDR ビザでは、以下の事は禁止されています。
- 現地の会社に就労
- 現地の会社と取引
タイのように日本人の多い観光地であれば、現地で日本人相手の仕事をしたくなるかもしれませんが、アンティグア・バーブーダには日本人観光客がほとんどいないと思いますので、わざわざ現地で働く必要もないでしょう。
銀行口座の開設は可能だが・・・
アンティグア・バーブーダは、所得税がかからないタックスヘイヴンとして認識されており、また、公用語が英語なこともあり、グルーバル金融機関もいくつか現地に支店があります。
そもそも、オンラインで口座を開ける銀行もあるようなので、NDR ビザ保持者も、銀行口座の開設は可能と思われます。
ただ、タックスヘイヴンということは、富裕層が主な顧客ですので、最低預金額が5万ドル(約550万円)とかの銀行が多く、2年間滞在するだけであれば、わざわざ口座を作る必要は無いかなと思います。
まとめ
アンティグア・バーブーダはカリブ海に浮かぶ小国で、欧米の富裕層も多く訪れる比較的高級なリゾート地です。
アンティグア・バーブーダでは、リモートワーカー向けに最大2年間滞在できる NDR ビザというものがあります。5万ドルの収入があることの証明が必要で、ビザ申請の手数料も1,500ドル(単身の場合)とそれなりにお金がかかります。
ただ、ある程度お金があり、日本人のあまりいないリゾート地でノンビリ過ごしたいという人にとっては、選択肢の1つとして検討すべきでしょう。