台湾では、就労許可証と滞在許可がセットになった「Taiwan Employment Gold Card」という制度が2018年に開始しましたので、今回それを紹介します。
以下、公式サイトです。
Official Website | Taiwan Gold Card
概要
- 最長3年間有効
- 更新可能
- 就労可能(open-end =特定の雇用主に縛られずに)
- 企業で働くことも自営業を始める事も可能
- 滞在義務は無い
- 家族同伴可能
- 申請費用は、期間・国籍によって異なる
- 日本人が日本国内で3年間のものを申請した場合、5,760台湾ドル(約2万3千円)
- 科学技術、経済、教育などの特定の分野で一定の条件を満たした人が対象
- 例: それらの業種で160,000台湾ドル(約63万円)以上の月収がある
- 台湾の健康保険を使用可能
- 台湾企業で働いていない場合は、カード取得の6ヶ月後から
- 税制優遇措置がある
取得手続き
流れ
- 必要な書類を集める
- オンラインで申請
- ユーザー登録
- 必要情報の入力
- 必要書類のアップロード
- 手数料の支払い
- 審査に通った場合、メールで通知が来る
- 台北駐日経済文化代表処に行って、パスポートのチェックをしてもらう
- パスポートのチェックで問題が無い場合、メールで通知が来る
- 台湾に渡航し、30日以内にゴールドカードを取得
- 以前は台北駐日経済文化代表処で取得出来たようですが、変更になりました(ソース)
詳しくは以下のページをご参照下さい。
Application Information | Taiwan Gold Card
条件
以下の6分野で条件が異なります。
- Science & Technology
- Economy
- Education
- Culture & Arts
- Sport
- Finance
- Law
- Architecture
一番発給数が多いのは「Economy」分野のようです。
どの分野の場合も複数の条件が合って、そのうちの1つを満たせば良いのですが、一番簡単と思われるのは以下の条件です。
- 過去、あるいは現在に、○○分野での仕事に就いており、直近の月収が最低160,000台湾ドル(約63万円)である
ちなみに、それ以外の条件は結構厳しいのが多く、Science & Technology 分野だと
- 国立大学、研究所での研究者
- 大学の主任教授、教授、准教授、研究機関の研究者
とか、あるいは
- ノーベル賞、唐奨(台湾の国際的な学術賞)、ウルフ賞、フィールズ賞の受賞者
なんてのもあったりします。
必要書類
- パスポート
- 写真
- 資格を証明する書類
- 納税証明書など
- 雇用契約書など
- CV
中国語、または英語以外の書類は、翻訳する必要があります。
その他、補足事項
最近条件等が緩和された
2021年になって、条件などが緩和されたようです。詳しくは以下のページをご参照下さい。
台湾も他国と同様、高度人材の受け入れは喫緊の課題と認識していて、本制度には力を入れているようです。
コロナ禍で申請が急増している
台湾はコロナを比較的上手く抑え込んでいることから、台湾系アメリカ人などで台湾への移住を検討している人が増えているようです。その流れで、ゴールドカードの申請数も増えているそうです。
必ずしもハイスペックな人向け、では無い
初期の頃の申請者や、メディアなどで紹介される本カードの保持者が、優秀な研究者などが多かったため、ゴールドカードはそうしたハイスペック人材で無いと取得出来ないというイメージを持たれている事も多いようです。ただ、条件を読む限りでは、当該分野に働いている普通の人でも対象となるようです。
(申請費用も対して高くないですし、滞在制限も無いので、試しに取得してみようかと思っています。)
4-in-1
公式サイトには、本ゴールドカードは以下の4つの機能が合わさった 4-in-1 だ、と書いてあります。
- Work Permit (就労許可)
- Resident Visa (居留ビザ)
- Alien Resident Certificate (外国人居留証、外僑居留証)
- Re-entry Permit (再入国許可)
詳しい説明は省略しますが、意味としてはこのカードの有効期間中は台湾に自由に出入りできて、働く事も出来る、という感じです。
open-end な就労許可
これは、台湾ゴールドカードに限った話ではありませんが、「open-end」な就労許可とは、好きな企業で働けるというものです。open-end でない通常の就労許可は、雇用主である会社と関連付けられていますので、その会社を辞めると無効となります。
台湾ゴールドカードの保持者の場合は、台湾企業で働いても良いですし、日本企業のリモートワークをしても良いですし、台湾でフリーランスとしてあるいは会社を立ち上げて自営業者として働く事も可能です。
ちなみに、open-end な就労許可として一番有名なのは、恐らくワーキングホリデーです。ワーキングホリデーの人は、その国の会社で自由に働くことが出来るので、日本料理レストランを掛け持ちでアルバイトしても良いですし、現地の企業に実際に就職して、実力を認めてもらったら、ワーホリ後に通常の就労ビザに切り替える、ということも出来ます。
まとめ
台湾ゴールドカードは、取得の条件はそれほど厳しくなく、最長3年間有効で更新可能、滞在義務も無いという素晴らしい制度です。
また、今回特に書きませんでしたが、日本人に取っては人気の旅行・滞在先ですので、コロナ禍後のワーケーションなどにも最適だと思います。