北欧バルト三国の1つであるラトビアには、投資によって最大5年間有効なビザが取得出来ます。ラトビアは EU 加盟国でシェンゲン協定にも加盟しているため、ラトビアのビザ保持者は他のシェンゲン協定国に自由に行き来が出来ます。
本制度が停止中?
本題に入る前に重要なことを書いておきますが、2022年5月現在、本記事で紹介する投資ビザ制度が停止中であるという情報が入ってます。
元々、ロシア人・ベラルーシ人の取得者が多かった制度なのですが、ロシアのウクライナ侵攻に伴い、ロシア人・ベラルーシ人に対して停止しているのか、それとも制度全体として停止中なのかは、確認が取れていません。
本記事を書き始めたのは2022年3月なのですが、書いている途中で、このような情報が入ってきました。従って、以下の情報は今では無意味になっている可能性もありますが、今後再開される可能性なども考えて、元の記事のまま残しておきます。
概要
- 以下のいずれかを行う必要がある(※)
- 5万ユーロ(約700万円)を企業に投資+1万ユーロ(約140万円)の支払い
- 従業員50人未満、売上 or 資産1千万ユーロ(約14億円)未満
- 10万ユーロ(約1390万円)を企業に投資
- 従業員50人以上、売上 or 資産1千万ユーロ(約14億円)未満
- 5万ユーロ(約700万円)を企業に投資+1万ユーロ(約140万円)の支払い
- 5年間有効
- ID カードの更新が毎年必要
- 5年後に再度取得は無理そう
- 滞在義務は無い
- 年齢制限は無い
※: それ以外にも、25万ユーロ(約3480万円)の不動産投資などでもビザを得られます。詳しくは、以下の公式情報をご覧下さい。
How long may the residence permit be issued for? | Pilsonības un migrācijas lietu pārvalde
手続き
流れ
大まかな流れを記載します。
- ラトビアに渡航し投資を行う
- 帰国し、日本で必要な書類を集める
- ラトビア大使館に提出(オンラインも可能)
- 審査に30〜90日かかる
- 申請が通った後、3ヶ月以内に再度ラトビアに渡航
- ID カードの取得
必要な書類
- 申請書類
- パスポートのコピー
- 投資を証明する書類
- 収入を証明する書類
- 保険証書のコピー
- 無犯罪証明書
詳細・補足
5年定住後には、EU 長期居住者の申請が可能
これは、本ブログで何度も扱っているので、詳細は以下を見て頂きたいです。
EU 長期居住者になるための条件の1つが「言語」です。ラトビアの場合は当然ラトビア語になるのですが、ラトビアがよっぽど好きとかラトビア人と交際・結婚している方などを除くと、ラトビア語取得のメリットはあまりないので、悩ましいところです。
(フランス語、スペイン語、ポルトガル語、ドイツ語、イタリア語あたりであれば、他国でも使えたりするのですが。)
日本語の情報は少なく、古い場合もあるので注意
海外移住情報は日本語より英語の情報の方が多いですが、ラトビアに関しては日本語の情報がさらに少ないです。また、日本語の情報は古いものが多いので注意が必要です。
そもそも、ラトビアに住んでいる日本人自体が非常に少なく、在留邦人は2021年現在で75人とのこと。
ラトビアについて
ラトビアという国についても簡単に紹介します。
物価は安い
ラトビアは欧州の中では物価が安い方です。以下のページが、2021年更新と比較的最新の情報のため、いくつか引用させてもらいます。
ラトビアの物価と1か月の生活費。一人暮らしは月10万円 – せかいじゅうライフ-海外移住をもっと身近に世界で暮らす情報メディア-
- 家賃(リガ市の中心部)
- ワンルーム340€(約4万7千円)
- 3ベッドルーム600€(約8万3千円)
- 食費
- ミネラルウォーター(500ml)0.50€(約68円)
- たまご(12個)1.50€(約207円)
- 鶏胸肉(1㎏)5€(約690円)
- ビール(500ml)1.50€(約207円)
- 光熱費平均160€(約2万2千円)
- 冬は暖房必須なのでこれより高く、夏は反対にこれより安い
- インターネット平均15€/月(約2070円)
リガ市の中心で、日本の田舎くらいの生活費、といったところでしょうか。
治安は良い
ラトビアの治安は、EU の平均的な国と言って良さそうです。日本ほど無防備では生活できませんが、普通に気をつけていれば問題なく暮らせるレベルです。
当サイトでも何度も紹介している以下のサイトによれば、スペイン、イタリア、イギリス、台湾と同等のようです。
Global Peace Index Map » The Most & Least Peaceful Countries
NATO 加盟国でもある
ラトビアはバルト三国の1つで、ロシアと国境を接しているため、ウクライナと同様にロシアに侵攻される危険性を懸念する人も多いかと思います。
ウクライナとラトビアを地政学的に見てみると、NATO に加盟しているかどうかという決定的な違いがあります。物事に「絶対」はありませんが、NATO に加盟しているラトビアがロシアに侵攻される可能性は、ウクライナに比べるとかなり低いと言えます。
まとめ
EU 加盟国であるラトビアでは、比較的簡単に5年間有効なステータスを得ることが出来ました(現在停止中の模様)。他の EU 諸国と同様、ラトビアで5年間合法に過ごした後はEU 長期居住者の申請が可能となりますが、ラトビア語の習得が必須です。
ラトビアは治安も良く、ヨーロッパとしては物価もそれほど高くないので、比較的住みやすいと思われます。ラトビアに興味のある方は、今回紹介した制度が再開されたら、取得を検討しても良いと思います。