マレーシア MM2H(2021年8月更新)

マレーシアの長期滞在ビザである MM2H (Malaysia My 2nd Home) について解説します。

はじめに

MM2H は。新型コロナの影響で新規受付を停止中だったのですが、2021年10月より新たな内容で申請の受付が再開されるということが、2021年8月11日に発表されました。

本記事では、更新後の内容について記載していますが、まだ不明な点も多いため、今後も随時更新予定です。また、実際の申請の際には、専門家へ相談することをお勧めします。

MM2H 概要

MM2H はリタイアメントビザの1つですが、以下のような特徴があります。

  • 35才以上が対象
    • ただし、50才未満は、金額の条件が50才以上と比べると高い
  • 5年間有効で、5年以降ごとの更新
    • 50歳未満の場合、90日間/年の滞在義務あり
  • RM1,500,000(約3900万円)以上の流動資産があることの証明が必要
  • マレーシアでRM1,000,000以上 (約2600万円)の定期預金を組む必要がある
    • 不動産の購入や、医療、子供の教育の目的で、元本の半分まで引き出し可能
    • 家族1人につき、RM50,000(約130万円)追加
  • RM40,000(約104万円)の月収の証明が必要
  • 銀行口座開設可能
    • 証券口座も開設可能
  • 就労は原則不可

申請手続き

流れ(この項は情報が古いです)

2021年10月より開始の新制度の手続きはまだ不明点が多いため、この項は古いままです。新しい情報が入り次第更新します。

主に、以下の流れとなります。

  1. 必要書類を集める(後述します)、申請書類への記入
  2. 業者経由でマレーシア政府への提出
  3. マレーシア政府での審査、仮承認
  4. 6ヶ月以内に現地にて各種手続き
    • 銀行口座開設、定期預金を組む
    • 健康診断
    • 医療保険への加入(60才未満のみ)
  5. 現地にて、移民局への申請、発給

現地で滞在が必要な日数は2〜3日、手続き全体としては1年は見ておいた方が良いようです。

必要書類(この項は情報が古いです)

2021年10月より開始の新制度の手続きはまだ不明点が多いため、この項は古いままです。新しい情報が入り次第更新します。

以下のページに詳しく記載されていましたが、簡単にまとめます。

マレーシアMM2Hビザ(リタイアメントビザ)申請サポート | マレーシア・ジョホールバルへの移住のことならIKI LINKS

  • 各種申請書類
  • パスポートのコピー
  • カラー写真 x 4枚 x 申請人数(本人、配偶者、21才未満の未婚の子供)
  • 戸籍謄本
  • 無犯罪証明書
  • 資産証明書
  • 収入証明書

定期預金、必要な資産額・収入

申請に関して、以下の金額が必要です。

年齢全ての年齢(※)
必要な資産額1,500,000リンギット以上(約3900万円)
必要な月収40,000リンギット以上(約104万円)
定期預金1,000,000リンギット以上(約2600万円)
MM2H に必要なお金

※ : 2020年以前は50才未満と50才以上で金額が異なっていました

必要な資産額・月収は、日本での資産・月収です。証明書を申請書類と合わせて提出する必要があります。

定期預金は、申請手続きの流れで説明した通り、仮承認が下りた後で現地の銀行で行います。また、日本で資産証明したお金を移して現地の定期預金とする事が出来ます。つまり、日本で3900万円くらい用意しておき、仮承認が下りたらそのうちの約2600万円を現地口座に移して定期預金にすることができます。

定期預金は、マレーシアでの不動産購入費・医療費・学費のために元本の半分までは引き出すことが可能です。マンションを買ったり、子供をインターナショナルスクールに通わせる場合などには良いと思います。

出来ること・出来ないこと

就労は原則不可

MM2H では、50才以上の場合に週20時間未満の就労を申請する事が出来ますが、必ずしも許可されるわけでは無いので、就労をすることを前提とした計画は避けるべきでしょう。

家族の申請も可能

MM2H は、本人だけでなく

  • 配偶者
  • 21才未満の未婚の子供

も同時に申請可能です。また、家族の申請には申請の手数料などは必要ですが、必要な定期預金の額が増えたりはしません。

さらに、同時に申請は出来ませんが60才以上の両親も追加が可能です。

よって、一家揃って暖かい国に移住という目的などに向いています。

子供の就学も可能

未成年の子供をマレーシアで学ばせる場合は、就学許可(Permission to Study)を親が申請する必要があります。

ちなみに、子供をマレーシアの学校に入れる際の選択肢としては、以下があります。

  • 親子で MM2H を取得し、その上で、子供は Permission to Study を取得する
  • 親が就労ビザ、子供は Dependent Pass を取得し、その上で Permission to Study を取得する
  • 子供は就学ビザ(Student Pass)を取得し、親(1名のみ)Social Visit Pass (所謂 Guardian Pass、保護者ビザ)を取得する
  • 親子でレジデンスパスを取得し、その上で Permission to Study を取得する

これらについては別途記事を記載します。

投資・節税は可能

銀行口座、証券口座は開設可能ですし、不動産への投資なども可能です。

マレーシアに定住して日本の非居住者となれば、マレーシア国内での所得に関してはマレーシアの税率が適用されます。また、親子共に10年以上在住することで、相続税に関しても国外資産に関しては日本の相続税の適用外となります。

この辺りは別途、簡単に記事にまとめようと思います。ただ、基本的には税理士の方に相談することをお勧めします。

サラワク州には居住不可

MM2H では、マレーシア国内のどこにでも居住できますが、サラワク州には居住できません。(観光で訪れることは可能だと思います。)

理由としては、サラワク州には、州独自の S-MM2H という制度があるからです。そのため、サラワク州に住みたい方はそちらを取得する必要があります。ちなみに、S-MM2H でサラワク州以外に住むことは可能です。

S-MM2H については以下の記事を参照して下さい。

まとめ

マレーシアの MM2H は、以前は50才以上であれば1,000万円弱で長期滞在資格が得られたのですが、現在は4,000万円弱の資産証明が必要となり、準富裕層以上向けの制度となりました。また、50才未満の場合には、年間90日以上の滞在義務があるのもイマイチな点です。

ただし、マレーシアという国の治安や教育の面から考えると、同じ東南アジアでもフィリピン・タイなどではなくマレーシアに移住するという選択肢もありかと思います。

ただ、MM2H は金額がかなり高くなってしまったので、S-MM2H や法人設立といった他の選択肢も検討すべきでしょう。

本サイトのマレーシア関連の記事は以下のページから辿れますので、参考になれば幸いです。

マレーシア アーカイブ – 非富裕層向け海外移住情報

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