コロンビアに長期滞在可能な M ビザは安価に取得可能

南米コロンビアに長期滞在できる M ビザは、比較的安価に取得出来ます。コロンビアという国についてはあまり馴染みが無い人が多いと思いますので、国の紹介、その後にビザの説明をします。

コロンビアとは

一般的なイメージはサッカーか麻薬、コーヒー

普通の日本人にコロンビアという国の印象について聞いてみると、恐らく大半の人は南米のサッカー強国、あるいはコカイン売買をする南米マフィアがいる国、といった回答をすると思います。コーヒー好きの人であればコーヒーと答えるかもしれません。

サッカーでは、最近だと2014年W杯で活躍したハメス・ロドリゲス、古くはカルロス・バルデラマやレネ・イギータなどが有名です。

麻薬に関して言うと、メデジン・カルテルや、それを率いた「麻薬王」パブロ・エスコバルの名前を聞いたことがある人もいるかもしれません。

コロンビアはコーヒーの一大生産地で、ブラジル、ベトナムに次ぐ世界第3位の生産量です。

実は治安は大幅に改善、経済も好調

ただ、現在のコロンビアは、メデジンカルテルの最盛期だった1990年前後に比べると治安は大幅に改善しており、国全体の殺人件数は当時の1/10以下になっていて、同じ南米のブラジルよりも少ないです。ただ、それでもアメリカの5倍、日本の100倍と、口が裂けても「治安が良い」とは言えませんが、以前のような無法地帯では無くなっています(以前がどれだけ酷かったんだという話でもありますが)。

世界の殺人発生率 国別ランキング・推移 – Global Note

ちなみに、コロンビアより殺人件数が多い国で有名どころとしては、南アフリカ(ヨハネスブルグの治安の悪さは有名)、ジャマイカなどがあります。

ただ、治安というのは殺人だけではなく色々な要素がありますし、以下の安全度ランキングですと、ジャマイカは80位くらいなのでそこまで悪くありません。それに対してコロンビアは140位。また、国全体としてはあまり治安が良くなくても、都市によっては治安が良いところも結構あります(フィリピンのセブなど)。したがって、住もうとしている都市について事前によく調べておくことをお勧めします。

安全度ランキング: Global indexes – Vision of Humanity

コロンビア経済は順調で、南米ではブラジル、アルゼンチンに次ぐ第3の経済規模を誇ります(中米のメキシコも含めると、メキシコが2位でコロンビアが4位)。経済成長率も近年は4%弱で安定的に推移しており、今後の発展が見込まれます。

観光名所も多い

コロンビアには、世界遺産となっているカルタヘナを初め、多くの観光名所があります。地理的に、アジア人よりは欧米人の観光客が多いので、英語の旅行サイトなどを色々見てみましたが、観光客の満足度も高いようです。

東南アジア、欧米などには一通り行った事のある海外中〜上級者であれば、コロンビアは良い観光地だと思います。

Mビザの概要

コロンビアのビザの種類

コロンビアには以下のビザがあります。

  • Visitor (ビジター)ビザ、Vビザ、Visa de Visitante (tipo V)
  • Resident (居住者)ビザ、Rビザ、Visa de Residente (tipo R)
  • Migrant (移住者)ビザ、Mビザ、Visa de Migrante (tipo M)

1. Tipos de visas en Colombia | Cancillería

以前は「一時(Temporary/TP)ビザ」、「居住者(Resident/RE)ビザ」という区分だったのですが、2017年に制度が大きく変わり、上述の3つの区分となりました。

ちなみに、名前だけだと分かりにくいかもしれませんが、Rビザは永住者向け、Mビザは長期滞在者向け、です。また、日本人はビザ無しで90日間まで滞在できるので、日本人にとってはVビザはあまり関係ありません。

今回扱うのは、そのうちの Migrantビザ、通称Mビザです。

Mビザにも種類がある

実はMビザにも以下の種類があります。

  1. コロンビア国籍の人の配偶者またはパートナー
  2. コロンビア国籍の子の養親または親の養子
  3. メルコスール加盟国、ボリビア、チリ国籍の人
  4. 難民
  5. 就労
  6. ビジネス(会社設立、出資)
  7. フリーランサー
  8. 宗教
  9. 就学
  10. 不動産投資
  11. 年金生活者など

本サイトの対象者が興味のあるであろう、6(会社設立、出資), 7(フリーランサー), 10(不動産投資), 11(年金生活者)について説明します。

以下に詳しく記載されています。

Mビザの特徴

Mビザにいくつもの種類があることが分かったところで、Mビザ全体の特徴について記載します。

  • 有効期間は3年間
  • 家族は受益者ビザを取得して滞在可能
  • 180日間連続でコロンビア国外にいるとビザが終了する
    • 最低でも約6ヶ月に1日はコロンビアにいる必要がある
  • 5年間コロンビアに滞在するとRビザを申請可能
    • 上述のMビザの種類1番(コロンビア国籍の人の配偶者・パートナー)〜3番(メルコスール)の場合は2年間
  • 銀行口座開設可能
  • 就労・就学はMビザの種類による

申請手続き

流れ

  1. 必要な書類を集める
  2. オンラインで申請手続き
  3. 審査費用の支払い(申請が通らなかった場合も返金はされない)
    • オンラインでクレジットカードで支払い
    • 他の支払方法もありますが、詳細は駐日コロンビア大使館などに確認して下さい
  4. 審査結果が届く

審査にかかる日数は5営業日です。

必要書類

Mビザの種類によって異なるため、共通で必要となるものを記載します。

  • パスポート
  • 写真
  • 申請書類

これ以外に、Mビザの種類によって年金の証明書や法人登記の証明書などが必要となります。

各Mビザの詳細説明

ビジネス(会社設立・出資)

会社を設立もしくは出資してビザを取得する方法です。

最低出資額は、7,812万4,200ペソ(約237万円)、法定最低賃金100カ月分です。

コロンビアペソは割と変動が大きいのですが、約237万円というのは2021年6月6日現在の為替レートで計算してます。以下に、為替レートの変換サイトへのリンクを貼っておきます。

COP to JPY | Convert 78,124,200 Colombian Peso to Japanese Yen | Xe

以前はコロンビア人の雇用義務があったようですが今は撤廃されているので、日本人の社員を連れて行って社員のMビザ(就労)を申請するのも比較的簡単だと思われます。

とはいえ、法人設立なので申請手続きは結構面倒くさそうですが、200万円台で長期滞在のビザが取得出来るのは魅力かもしれません。

詳細は以下のページをご参照下さい。

M − OWNER / SHAREHOLDER OF COMPANY ESTABLISHED IN COLOMBIA | Cancillería

フリーランサー

JETRO のページには、

「個人事業主としての資格や専門知識を持っており、財政的条件を満たしている者(直近6カ月間の収入の平均が法定最低賃金10カ月分、781万2,420ペソ)」

とだけ書いてあります。ちなみに781万2,420ペソは約24万円です。

ただ、申請の際の必要な書類には “At least 3 certificates of experience in the corresponding profession or occupation”、意訳すると「当該職業・専門分野の経験に関する証明書を3つ」とあるのでそれなりにハードルは高そうです。

詳しくは、以下のページを参照して下さい。

M – PRACTICE A PROFESSION OR INDEPENDENT ACTIVITY | Cancillería

不動産投資

一定額以上の不動産投資をした場合にビザが得られるというものです。

最低投資額は、2億7,343万4,700ペソ(約830万円)です。これは法定最低賃金350カ月分であり、会社設立・出資でMビザを取得する際の必要金額の3.5倍です。なお、為替レートは日々変動するので、以下に為替レートのリンクを貼っておきます。

COP to JPY | Convert 273,434,700 Colombian Peso to Japanese Yen | Xe

830万円は安い金額ではありませんが、もしコロンビアを気に入っているのであれば、現地に不動産を買っての移住が、引っ越し費用などを含めても1000万しないで出来るというのはお得だと思います。

詳細は以下のページをご参照下さい。

M − REAL ESTATE INVESTMENT | Cancillería

ちなみに、法定最低賃金650カ月分、5億9054万1900ペソ(約1790万円)を投資することが出来るなら、有効期限の無いRビザの申請ができるようです。

詳細は以下のページをご参照下さい。

R – DIRECT FOREIGN INVESTMENT | Cancillería

年金生活者など

こちらのカテゴリーは、年金生活者または定期的な収入がある人が対象です。

条件としては、以下のどちらかです。

  • 年金生活者: 法定最低賃金3カ月分、2,343,726ペソ(約7万1千円)の年金が毎月あること
  • 定期収入: 法定最低賃金10カ月分、781万2,420ペソ(約24万円)の定期収入が毎月あること

沢山種類のあるMビザの中でも、恐らくこの種類が取得の条件が一番やさしいと思います。

詳細は以下のページをご参照下さい。

M − PENSIONER OR INDEPENDENT INCOME BENEFICIARY | Cancillería

まとめ

コロンビアのMビザは条件が緩く、比較的簡単かつ安価に取得出来ます。

コロンビアは依然として治安が良いとは言えませんが、以前のような北斗の拳状態からは脱して、他の南米諸国と同程度にまで落ち着いてきています。経済的にも比較的好調ですし、観光地も多く、優しい人も多いので、まずは一度旅行、あるいは短期滞在で訪れてみて、気に入ったらMビザで長期滞在するというのが良いと思います。

Mビザ取得の5年後には永住者向けのRビザの申請が出来るようになりますので、気に入ったら骨を埋めることも出来ると思います。

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