グリーンカードの抽選に当選したい、 そんなふうに考えていた時期が俺にもありました

(タイトルの元ネタが分からない方がいましたら、すみません。)

アメリカという国は、ここ100年以上の間、様々な点で世界の頂点に立っていて、多くの人が憧れる国でもあります。「アメリカンドリーム」といった言葉などは説明するまでもありません。ただ、そんな憧れの国に移住するのはなかなか厳しい現実があるという話を今回したいと思います。

今回の記事はビザ・ステータスに関する客観的な情報では無く、どちらかというと個人的な意見が多いので予めご了承下さい。

アメリカに移住する方法

主なビザ・ステータスの種類

アメリカのビザの種類はかなり多いので、長期滞在が可能なもののうち代表的なものをいくつか挙げておきます。

  • 就労ビザ
    • H-1B: 専門職向け、最長6年間
    • L-1A: 駐在員管理職向け、最長7年間
  • 投資ビザ
    • E-1: 日米間の貿易を行う企業の管理職向け、更新回数に制限無し
    • E-2: 米国企業に投資する投資家向け、更新回数に制限無し
  • 永住権(グリーンカード)
    • EB-5: 投資家向け、100万ドル以上の投資、2年以内に米国人10人の雇用が必要
    • EB-2, EB-3: 主に現在就労ビザで働いている人向け
    • DV: 抽選

どれも取得が大変

詳細は省略しますが、アメリカの就労ビザは取得が大変です。東証一部上場のような大手企業の駐在員(L-1A)であれば、基本的には会社が色々面倒を見てくれますので(時間がかかるのを除けば)そこまで問題無いと思いますが、一個人としてアメリカの会社に就職する場合(H-1B)などは、そもそも条件が厳しいですし、人数の枠に対して応募者が多いため抽選となるため、なかなか困難です。

次に投資関連のビザ(E-1, E-2)ですが、取得の条件に貿易額や投資額は明確に規定されていませんが、投資永住権(EB-5)の最低投資額が100万ドルというのを考えると、同じくらいの金額の投資・貿易額が必要と思われます。

投資永住権(EB-5)はどうかというと、投資金額の100万ドルというのはかなりの大金ですが、10人の雇用が必要というのがさらにハードルが高いです。

また、就労をベースとした永住権であるEB-2、EB-3ですが、こちらも就労ビザと同様に取得が大変です。

なお、最後の抽選プログラムだけは、取得に関する特別な条件が無いため、運さえ良ければ比較的簡単に取得可能です。

アメリカに移住するメリット

アメリカに移住するのはそれなりに困難なのが分かったかと思いますが、そうした困難を乗り越えても移住するメリットというのがあります。

最先端の分野に触れられる

一番のメリットは、アメリカにいないと触れられないような最先端の分野があるという事です。アメリカは経済的に世界一の国で、数多くの分野で世界一です。パッと思いつくだけでも

  • IT
  • エンターテインメント
  • スポーツビジネス
  • 金融

など枚挙に暇がありません。

最近では情報通信技術が発達しているため、地理的に離れていても最先端に触れることもある程度可能ですが、それでもネットワーキングの利便性などから、特定の国・地域に特定の産業が集まるという事実は変わりません。いくらリモートワークが発達しても、シリコンバレー近辺でIT系の起業を行う人が多いですし、映画と言えばハリウッド、金融系の会社はニューヨークにオフィスを構えます。

よって、そうした分野で働きたい人は、アメリカに移住しないと大きなハンデを抱えることになります。

大きなビジネスチャンスがある

前項と関連しますが、アメリカは

  • 最先端の分野が多い
  • 市場規模も大きい
  • アメリカで成功すると他国にも展開しやすい

という特徴があるため、一発当てるとかなり大きいです。いわゆるアメリカンドリームですね。それを夢見て移住する人も多いです(私の知り合いでも数名います)。

(お金さえ出せば)高レベルの教育を受けさせられる

アメリカにはハーバード、スタンフォード、MITなど、世界最高峰の大学が数多くあります。また、幅広い分野・レベルの大学がありますので、教育の選択肢という点でも申し分ありません。

初等教育に関しても、(日本の教育を否定する意図はありませんが)日本に比べると個人の自主性を重んじた教育であることは間違いなく、そうした教育を子供に受けさせたいと思う方も多いと思います。

注意点としては、アメリカは貧富の差も激しく、学校・地域によって教育水準もピンキリな点が挙げられます。要はお金を出して安全で教育水準の高い地域に住めば、子供に良い教育が受けさせられると言うことです。

アメリカ移住のデメリット

生活費が高い

多くのサイトで言われていることなので詳しくは書きませんが、アメリカは先進国のため生活費はそれなりに高いです。特に、ニューヨーク、サンフランシスコなどは相当高いです。

また、上で少し触れた通り、大学の学費も馬鹿高いです。日本に比べて奨学金が充実しているというのを差し引いたとしても、高いと言わざるを得ません。

医療費が高いのも有名ですね。自前で保険加入する必要があります。

税金が高い

アメリカは日本と同様に税金も高いです。

まず所得税率としては、連邦税が最大37%、州税は州によって大きく制度が異なりますが、0%の州もあれば、累進課税で最大12%くらいのところもあります。合計すると最大で49%くらいになります。所得税に関しては、日本とほぼ同じと考えて良いと思います。

次に法人税ですが、こちらも連邦税と州税があり州によって若干税率は異なるのですが、多くの州では実効税率は30%弱で、こちらも日本とほぼ同様です。

また、アメリカは日本と同様に全世界所得課税ですので、アメリカ国外の所得に関してもアメリカで課税されます。「全世界所得課税」や「属地的課税」等については以前記事を書きましたので、もし良ければご参照下さい。

アメリカを1年離れると永住権が失効する

せっかく苦労してアメリカの永住権を取得したとしても、アメリカを1年間離れると永住権が失効します。他の国でもそうした滞在義務がある永住権(2021年以降の新 MM2H など)もありますが、1年に数日〜数週間だけその国に滞在していれば問題無い制度が大半です。

アメリカでも Re-entry permit を申請・取得すれば、1年以上離れる事も可能なのですが、アメリカの永住権はアメリカで居住する意思がないとみなされると失効します。よって、1年に1度だけアメリカに帰れば永住権を保持できるというものでもありません。

これが何を意味するかというと、アメリカのグリーンカードでは多拠点生活するのが難しいという事です。アメリカを長期間離れることが複数回あると問題となる可能性が高いです。

それを回避する方法としては、アメリカやそれ以外の国にも実態のある会社を持ち、どちらの国にも長期間滞在する必要があるというのをアメリカの移民局に認めてもらう、などくらいしか思いつきません。

まとめ

アメリカにはアメリカンドリームもありますし、子供に良い教育を受けさせられることも可能で、移住希望者は数多くいます。

一方、アメリカはビザや永住権の取得がかなり難しいです。また、苦労して永住権を取得しても、アメリカを長期間・あるいは頻繁に離れると失効してしまうため、注意が必要です。

また、アメリカという国自体のデメリットも沢山あります。生活に関わるところでは、生活費や税金が高いことが挙げられますし、本記事では触れていませんが、治安の面でも気をつける必要があります。

以上を考えると、「どうしてもアメリカに住みたい!」という強い意志・理由がある人以外は、アメリカのビザ・永住権の取得は割りに合わないというのが私の考えです。

気に入ったらシェアをお願いします

コメントする