スペインの自営業者向け就労ビザ

過去に、ドイツやチェコのフリーランス向けビザを紹介しましたが、スペインでもフリーランスが取得出来るビザがありますので紹介します。

なお、スペインに移住する方法としてはリタイアメントビザもありますので、興味のある方はそちらもご参照下さい。

概要

  • 初回は1年間有効、以降は2年毎に更新
    • 5年経過後には、永住権の申請が可能
      • 他のEU諸国とほぼ同様
  • 事業計画などの提出が必要
  • 年間183日以上、スペインへの滞在義務あり
    • 満たさない場合、ビザの更新は不可

なお、スペインの自営業者向け就労ビザを使っての永住は、

  1. 日本で自営業者向け就労ビザを取得
  2. スペインに渡航し、1ヶ月以内に居住許可の申請、その後取得

というのが大まかな流れです。

以下のページの「3. 自営業者(CUENTA PROPIA)の居住・労働許可」が参考になると思います。

日本企業関係者の労働・居住許可等について | 在スペイン日本国大使館

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ドイツのフリーランス/アーティストビザ

ドイツにはフリーランス向けのビザ(正確には滞在許可)があり、それで滞在している日本人もそれなりの数がいます。また、デザイナーなどの場合「アーティストビザ」と書いている方もいますが、手続き等は基本的にはフリーランスビザと同じですので、まとめて紹介します。

概要

  • 6ヶ月〜3年間有効
    • 更新可能
  • 6ヶ月以上連続でドイツを離れる事は出来ない
  • フリーランスとして活動する領域を予め申請する
    • その領域以外の仕事は不可
  • 事業計画、収支計画などが必要
    • ドイツ国内に既に顧客がいることが必須
  • 滞在先を管轄する外国人局にて申請する
    • 地域によって条件・難易度などが異なる

他のヨーロッパ各国にあるフリーランスビザと似たような感じだと思います。

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チェコにフリーランスとして移住する

本サイトでは、日本から近い東南アジアの国の紹介が多かったのですが、今回は東欧のチェコにフリーランスとして移住するという内容を書きます。個人的にも、チェコには知り合いが住んでいたり取引先があったりと馴染みのある国です。

概要

開業届とビザは別物

チェコにフリーランスとして移住する方法ですが、大まかに言うと

  • チェコでフリーランスとして開業届(Živnostenský list、略称 Živno、英: Trade license)を取得する
  • 開業済みのフリーランスとして、長期ビザ(Long-term visa、半年間有効)を取得する
    • その後、長期滞在許可(Long-term residence、最長2年有効)の取得が可能

という仕組みです。

制度概要

  • 開業届(Živno)
    • 社会保険、健康保険、納税の義務が発生
    • 業種の制限は少ない
  • 長期ビザ
    • 生活費として、銀行口座に124,500コルナ(約63万円)が必要
    • 最初は6ヶ月間有効
  • 長期滞在許可
    • 最長2年間有効、更新可能
    • 数ヶ月チェコを離れていても問題無いが、長期間だと更新できない可能性もある模様
  • チェコに5年間滞在後、永住権の申請が可能

チェコは制度が良く変わるようなので、詳細は在日チェコ大使館に問い合わせるのが確実です。

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コロンビアに長期滞在可能な M ビザは安価に取得可能

南米コロンビアに長期滞在できる M ビザは、比較的安価に取得出来ます。コロンビアという国についてはあまり馴染みが無い人が多いと思いますので、国の紹介、その後にビザの説明をします。

コロンビアとは

一般的なイメージはサッカーか麻薬、コーヒー

普通の日本人にコロンビアという国の印象について聞いてみると、恐らく大半の人は南米のサッカー強国、あるいはコカイン売買をする南米マフィアがいる国、といった回答をすると思います。コーヒー好きの人であればコーヒーと答えるかもしれません。

サッカーでは、最近だと2014年W杯で活躍したハメス・ロドリゲス、古くはカルロス・バルデラマやレネ・イギータなどが有名です。

麻薬に関して言うと、メデジン・カルテルや、それを率いた「麻薬王」パブロ・エスコバルの名前を聞いたことがある人もいるかもしれません。

コロンビアはコーヒーの一大生産地で、ブラジル、ベトナムに次ぐ世界第3位の生産量です。

実は治安は大幅に改善、経済も好調

ただ、現在のコロンビアは、メデジンカルテルの最盛期だった1990年前後に比べると治安は大幅に改善しており、国全体の殺人件数は当時の1/10以下になっていて、同じ南米のブラジルよりも少ないです。ただ、それでもアメリカの5倍、日本の100倍と、口が裂けても「治安が良い」とは言えませんが、以前のような無法地帯では無くなっています(以前がどれだけ酷かったんだという話でもありますが)。

世界の殺人発生率 国別ランキング・推移 – Global Note

ちなみに、コロンビアより殺人件数が多い国で有名どころとしては、南アフリカ(ヨハネスブルグの治安の悪さは有名)、ジャマイカなどがあります。

ただ、治安というのは殺人だけではなく色々な要素がありますし、以下の安全度ランキングですと、ジャマイカは80位くらいなのでそこまで悪くありません。それに対してコロンビアは140位。また、国全体としてはあまり治安が良くなくても、都市によっては治安が良いところも結構あります(フィリピンのセブなど)。したがって、住もうとしている都市について事前によく調べておくことをお勧めします。

安全度ランキング: Global indexes – Vision of Humanity

コロンビア経済は順調で、南米ではブラジル、アルゼンチンに次ぐ第3の経済規模を誇ります(中米のメキシコも含めると、メキシコが2位でコロンビアが4位)。経済成長率も近年は4%弱で安定的に推移しており、今後の発展が見込まれます。

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バミューダ諸島の Work from Bermuda

バミューダ諸島は北大西洋に位置するイギリスの海外領土ですが、そのバミューダ諸島でもリモートワーカー向けのビザがありますので、紹介します。

数日前に紹介したアンティグア・バーブーダの NDR ビザと似ている部分もありますので、その辺りについても触れます。

バミューダ諸島とは

北大西洋に位置するイギリスの海外領

こないだのアンティグア・バーブーダに比べると、バミューダ諸島は名前くらいは聞いたことがある人が多いと思います。バミューダ・トライアングル(※)やバミューダパンツが有名なためでしょう。

例によって、Wikipedia のリンクを貼っておきます。

バミューダ諸島 – Wikipedia

※: バミューダ・トライアングルの話は、ねつ造という事でほぼ確定のようです

高級リゾート

バミューダもアンティグア・バーブーダと似たような高級リゾートです。比較的手頃なホテルもありますが、1泊5万円以上するホテルも結構な数があります。

素敵なホテル・ビラが多く、ウェブサイトを見ているだけで楽しいです。いくつか、リンクを貼っておきます。

タックスヘイヴンのため、物価は世界一高い

多くの調査で、バミューダの物価は世界一高いという結果が出ています。実際に世界一かどうかはさておき、相当高いのは間違いないでしょう。

理由としては、バミューダはタックスヘイブンのため、富裕層が住んでいたり不動産を持っていたりするので、それによって物価が高くなったようです。バミューダに限った話ではありませんが、普通の現地人にとっては物価が高くて生活はなかなか大変なようです。

英語とポルトガル語が公用語

英領のため当然英語が公用語なのですが、ポルトガル語も公用語です。16世紀以降にポルトガルの移民が住み始めたからのようです。

ネット環境は?

ネットの速度を以下のサイトで調べてみましたが、利用者が少ないようでデータがありませんでした。(2021年6月5日現在)

Bermuda’s Mobile and Broadband Internet Speeds – Speedtest Global Index

アンティグア・バーブーダと同様にリゾート地なので、ホテルでメールや SNS をするのに困らないくらいの速さはありそうですが、動画をダウンロード・アップロードするのとかは時間がかかるかもしれません。

バミューダでの Wi-Fi サービスについては、以下のページに情報があります。

Bermuda Boasts Reliable WiFi Across the Island // Go To Bermuda

Work from Bermuda の概要

ここからが本題です。バミューダ諸島のデジタルノマドビザである「Work from Bermuda」について説明します。

  • 最長1年間滞在可能
    • 再度申請することにより更新も可能だが「ケースバイケース」とのこと
  • 手数料は263ドル(3万円弱)
  • 最低収入は設定されていない(収入の証明は必要)
  • バミューダ諸島外での雇用・ビジネスの証明が必要
  • オンラインで申請可能(現地に行く必要は無い)
  • 家族は別途申請が必要
    • 雇用・ビジネスの証明は、メインの申請者と同様のものを提出
  • 銀行口座の開設は(恐らく)可能

詳しくは、以下の公式サイトを参照して下さい。

Work from Bermuda Certificate – Work & Study Remotely // Go To Bermuda

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アンティグア・バーブーダ、NDRビザ

カリブ海の小国アンティグア・バーブーダでも、デジタルノマド向けのビザである Nomad Digital Residence Visa (以下、NDRビザ)があります。

アンティグア・バーブーダとは

カリブ海にあるマイナーな国(・・・のはず)

そもそもこの国の存在を知っている人は少ないと思います。私も調べ始めるまでは国の名前すら聞いたことがありませんでした。

カリブ海の国だと、ジャマイカ、キューバ、ハイチ、ドミニカ共和国、トリニダード・トバゴくらいまではそこそこ有名だと思いますが、それ以外にも結構色々あるんですね。興味のある方は以下のページを参照して下さい。

ちなみに、私はアンティグア・バーブーダ以外ですと、ベリーズ、セントクリストファー・ネイビスも初耳でした。

アフリカ・カリブ海・太平洋諸国 – Wikipedia

また、検索しても、日本語の旅行記はかなり少ないので、日本人の場合は相当な旅行好き以外は訪れたことは無さそうです。

Wikipedia も、日本語のページは大した情報が無かったので、英語のページを読んだ方が良さそうです。

高級リゾート

英語版 Wikipedia やいくつかのウェブサイトによれば、アンティグア・バーブーダの主要産業は、多くのカリブ海諸国と同様で観光です。

高級リゾートのようで、欧米の富裕層も多く訪れるようです。”Antigua and Barbuda hotels” で検索すると以下のような素敵なホテル・ヴィラが沢山出てきます。新婚旅行でいく人も多いみたいで、日本人にとってのニューカレドニアとかそんな位置づけのような気がします。

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ジョージアのリモートワークビザ

ヨーロッパとアジアの境あたりに位置する、旧ソ連のジョージアでも、リモートワーカー向けのビザがありますので、それについて紹介します。正式名称は “Remotely from Georgia” というようです。以下、申し込みフォームです。

Remotely from Georgia Application Form
(2022年4月17日現在、フォームが inactive となっていて申し込み出来ません)

日本人はビザ無しでも1年間滞在可能

ただ、いきなり話の腰を折ってしまいますが、そもそも日本人であればジョージアにはビザ無しで1年間滞在可能です。

滞在の条件は以下の通りです。

  • 日本国籍(日本を含む50カ国)
  • 6ヶ月以上有効なパスポート
    • 査証欄の空きが1ページ以上
  • 滞在期間をカバーする旅行保険の加入

知る人ぞ知るという感じではあったのですが、実はジョージアはビザの取得や入国に関する規則が緩い国です。

  • ビザ無しで1年間滞在可能(上述の通り)
  • 一度、隣国に出国した後、再度ジョージアに入国すると再度1年間滞在可能
  • リモートワーク等の労働は可能(※)

ただ、場合によってはビザ無しより Remotely from Georgia のビザを取得した方が良いケースもあると思いますので、それについては後の方で記載します。

※: 多くの国では、ビザ無し渡航は観光や仕事での出張を想定しており、現地で仕事をして定住するという事は想定しておらず、法的にはグレーゾーンです。実際に警察や入管から指摘されることはほとんどありませんが。

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オランダへの移住は200万円〜で可能

つい最近以下の記事を書きました。大雑把にまとめると、リタイアメントビザ+引っ越し費用などで300万円くらいは欲しいという内容です。

その後、オランダはフリーランス向けビザが簡単に取得出来ることを思い出したので、改めて調べてみたところ、200万円くらいで移住出来そうだったので、まとめてみました。

オランダ、フリーランス向けビザの概要

「オランダ フリーランス ビザ」などで検索すると、詳しい情報が沢山出てきますので、ここでは主要なポイントに絞って記載します。

  • オランダで事業をする予定のフリーランスが対象
  • オランダ国内に(部屋を借りるなどして)住所が必要
  • 年齢制限は無し
  • 家族の同行も可能
  • 4500ユーロの投資資金を銀行口座に入れておく必要がある
  • 有効期限は、最初は2年間、その後は5年間
    • 長期間オランダ国外に滞在していると、更新が難しくなるとのこと(※)

※: オランダ居住許可の延長条件について|YourLegalsジャパンデスク

手続き

典型的な手続きの流れとしては以下の通りです。

  1. 日本で書類の準備(戸籍謄本、アポスティーユ)
  2. オランダに渡航
  3. 必要な書類を準備(戸籍謄本の英訳、認証印)
  4. 部屋の賃貸契約を結び、住所を確定
  5. 一時滞在許可取得
  6. 住民登録
  7. フリーランスとして事業登録
  8. 銀行口座開設、4500ユーロ振込、バランスシート作成
  9. 最終申請

かかる日数は短くて2〜3ヶ月、長い場合は半年くらいになることもあるようです。本気で移住する人以外は、なかなか時間を取るのが難しそうです。

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エストニアのデジタルノマドビザ

北欧のIT先進国であるエストニアで、デジタルノマドを対象としたビザの制度が2020年8月に始まりました。

公式情報はこちら。

Digital Nomad Visa | e-Residency

エストニアとは

詳しくは Wikipedia などを見てもらうとして、ここでは簡単にエストニアについて紹介します。

エストニア – Wikipedia

地理: バルト三国の1つ

地理的には所謂バルト三国の1つで、北欧にあります。ロシアと面していて、フィンランドとは海を挟んで向かい合わせ、と書けば、大まかな位置は分かってもらえるかと思います。

政治経済: EU、シェンゲン協定加盟国

政治的には EU、シェンゲン協定加盟国であり、NATO にも加盟しています。また、通貨はユーロですし、シェンゲン協定に加盟しているので、加盟国間の移動時に検査とかも無いです。

つまり、日本人が一般的に考えるような EU 加盟国の一つです。

IT 先進国

日本人に取ってエストニアというと「電子政府」が有名だと思います。エストニアでは、行政サービスのほとんどはオンラインで可能で、個人の ID カード(日本でいうとマイナンバーカード)が運転免許証などにもなっているようです。

デジタルノマドビザ(DNV)概要

まずは、デジタルノマドビザ(以下、DNV)の概要です。

  • 最大1年間エストニアに滞在可能
    • 延長は不可
  • リモート(オンライン)で働ける人が対象
    • エストニア国外の企業の社員
    • エストニア国外の企業のオーナー等
    • エストニア国外の顧客と主に取引するフリーランス
  • 申請費用は100ユーロ(※)
  • 申請前の6ヶ月間、最低3,504ユーロ/月の収入があること

※: 90日以内の場合は80ユーロ

エストニアには、e-Residency という、オンラインで簡単にエストニア法人が作れる仕組みがあるのですが、それとは全く別物です。e-Residency では、エストニアに物理的に滞在することは出来ません。

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