ギリシャのデジタルノマドビザ

以前、以下のような記事を書きましたが、本ブログの更新をサボっている間に情報が色々揃ってきましたので、このページにまとめます。

ギリシャのデジタルノマドビザの目的は、他国と同様、ギリシャで働く外国人リモートワーカーを呼び込むことです。デジタルノマドビザを取得することで、リモートワーカーとして最長3年間、滞在することができます。ただしリモートワーカーを対象としているため、ギリシャの企業で働くことはできませんのでご注意ください。

概要

  • 年齢、学歴、学歴等は不問
  • 現地企業での就労は不可
    • ギリシャ企業以外とのリモートワークが必須
    • 自営業の場合も申請可能
  • 有効期間は1年間だが、2年間更新し、最大3年間滞在可能(※)
  • 申請者の月収が€3,500(約57万円)以上必要(※)
  • 申請費用は€75(約12,000円)
  • 家族同行可能
    • ただし同行する扶養家族1人につき申請者の月収最低額、申請費用が増加(※)

※: いずれも後述

官公庁の公式情報では無いものの、以下のサイトが半公式情報っぽかったので参考にしました。

Become Digital Nomad in Greece | Work From Greece

また、デジタルノマドビザはギリシャのタイプ D ビザの一種との事で、申請書類などについては「Greek type D visa」などで検索した方が詳細な情報が得られると思います。参考までに、ギリシャ大使館のビザ関連ページへのリンクを載せておきます。

Visas – Greece in Japan

続きを読む

マレーシアのデジタルノマドビザは10/1から受付開始(2022年10月1日更新)

相変わらず本業が忙しく久しぶりの投稿ですが、今回はかなりポジティブな投稿です。

マレーシアがデジタルノマドビザを導入し、来る2022年10月1日(1週間弱ですね)から受付を開始します。MM2H の条件の厳格化などマレーシア関連ではあまり良いニュースが無かったのですが、久しぶりに良いニュースです。

追記: 2022年10月1日に新たに情報が出てきましたので、大幅に加筆・更新しました。

マレーシアのデジタルノマドビザ概要

マレーシアのデジタルノマドビザですが、正式名称は DE Rantau Nomad Pass です。以下、概要です。

  • 1年間有効
    • 1回だけ更新可能(合計で、最長24ヶ月まで滞在可能)
  • 24,000ドル/年(約340万円)以上の収入が必要
  • リモートワークの会社員またはフリーランスが対象
    • IT、デジタルマーケティング、デジタルコンテンツのデザイナー・開発、の職種が対象
    • 3ヶ月以上の契約があること
  • 家族の同行も可能
  • 費用
    • 手数料: 1,060リンギット(2022年10月1日現在、約33,000円)
      • 同行家族1人追加につき、530リンギット(2022年10月1日現在、約17,000円)
    • MDEC がスポンサーとなるために1,000リンギット(約33,000円)の security bond を支払う必要がある(詳細は後述)
  • 銀行口座開設はできない銀行が多いはずだが、各銀行に問い合わせて欲しい、との事(FAQ より)
  • 子供が学校に通えるかは、学校による

以下の情報を元に記載しました。

続きを読む

UAE の新しい退職者向けビザ

中東の UAE には以前から退職者向けのビザがあったようですが、2021年に条件などに変更されて現在の形になったようです。本記事では、現在の退職者向けビザについて説明します。

なお、UAE はアラブ首長国連邦の名の通り、ドバイ、アブダビなどの首長国が集まって出来た国で、各首長国によって各種制度が異なりますが、本退職者ビザは UAE の国としての制度のようです。

多くの国のリタイアメントビザは、その国に一定期間以上滞在する必要があるのですが、UAE のリタイアメントビザにはそうした条件はありません。多拠点生活を送りたい方には向いているビザだと思います。

続きを読む

タイのリタイアメントビザ

タイにはタイランドエリートというお金で買える長期滞在ステータスがありますが、それとは別に、他国のようなリタイアメントビザもありますので、今回紹介します。タイランドエリートについては、以下の記事をご参照下さい。

タイのリタイアメントビザ概要

リタイアメントビザの種類と有効期間

実は、タイでリタイアメントビザと呼べるものは3種類あり、それぞれ有効期間が異なります。

  • ノンイミグラント-O(年金受給者/リタイアメント)
    • 90日間有効、1年間の延長を複数回可能
  • ノンイミグラント-O-A (ロングステイ)
    • 1年間有効、延長は1回のみ(※)
  • ノンイミグラント-O-X (ロングステイ10年)
    • 5年間有効、延長は1回のみ

※: 在東京タイ王国大使館のページでは「ただし延長申請は1回のみ」と明記されているのですが、実際の取得者の情報では複数回更新しているという情報が多く見られます。

本記事ではこれらをまとめて扱います。

公式情報は、以下のページをご参照下さい。

ビザの概要

  • 50才以上が対象
  • 就労は不可
  • 以下のいずれかの条件を満たす必要がある
    • ノンイミグラント-O、ノンイミグラント-O-A
      • タイの銀行に800,000バーツ(約280万円)以上の預金
      • 65,000バーツ(約23万円)以上の年金
      • 預金と年金合算で800,000バーツ(約280万円)以上
    • ノンイミグラント-O-X
      • タイの銀行に3,000,000バーツ(約1,050万円)以上の預金
      • タイの銀行に1,800,000バーツ(約630万円)以上の預金+1,200,000バーツ(約420万円)以上の年収
  • 有効期間は前述の通り
  • 家族同行
    • ノンイミグラント-O、ノンイミグラント-O-A: 配偶者のみ?
    • ノンイミグラント-O-X: 配偶者、子供

続きを読む

ノルウェーの個人事業主向けビザ

北欧のノルウェーには個人事業主向け就労ビザがありますので、今回紹介します。他の国の個人事業主向け(フリーランス向け)就労ビザと同様、基本的にはノルウェーの顧客がいることが前提のようです。

ちなみに、正確にはビザではなく滞在許可です。

概要

実は、ノルウェーに個人事業主として滞在するには、

  • ノルウェー国外(日本等)の個人事業主として滞在する
  • ノルウェーで個人事業主として登録(起業)して、その資格で滞在する

という2通りがありますが、今回は前者について説明します。

以下、概要です。

  • ノルウェー国外の個人事業主が対象
  • ノルウェー企業の顧客がいること
    • 他のノルウェー企業とも契約する際には、改めて本滞在許可を別途申請する必要がある
  • 2年間有効、最大6年間まで更新可能
  • 取得には、学歴あるいは資格が必要
    • 大卒、など
  • 397,100クローネ(約534万円)以上の年収が必要
  • 家族も同行可能

英語ですが、ノルウェー移民局の以下のページに、基本的な情報がまとまっています。

Want to apply: Skilled workers – UDI

続きを読む

ブラジルのリタイアメントビザ

南米の大国であるブラジルにもリタイアメントビザの制度がありますので、今回紹介します。条件もあまり厳しくありませんので、南米に興味のある方にとっては選択肢となると思います。

概要

  • 2,000ドル/月(約22万円)の収入が必要
    • 年金だけでなく、他の収入も合算可能
  • 2年間有効、更新可能
  • 2年以上ブラジルを離れていると失効する
  • 年齢制限は明記されていないが、年金受給者が対象者と記載されている
  • 就労不可

詳しくは、以下のページを参照して下さい。

続きを読む

条件が緩いパラグアイの永住権で、他の南米諸国へのドアを開く

パラグアイの永住権は取得の条件が緩く、約5,000ドル(約55万円)を銀行に預けるなどのいくつかの条件があるのみです。ジェトロのサイトにこんな記事があるくらいなので、本当にハードルが低い事は信じてもらえるかと思います。

永住ビザも取得のハードルは低い-パラグアイにおける会社設立(2)-(ブラジル、パラグアイ) | ビジネス短信 – ジェトロ

パラグアイは日本から遠く馴染みの薄い国ですが、永住権取得のメリットもあるので、今回説明します。

永住権概要

  • ID カードは10年間有効、更新可能
  • パラグアイの銀行に5,000ドル(約55万円)を預ける必要がある
    • 永住権取得後に、引き出し可能
  • 就労、就学可能
  • 滞在義務はあるが緩い
    • 3年間に1日以上滞在が必要、2年間海外にいるとダメ、といった非公式の情報があった
    • 公式の情報は見つからなかった(※)
  • 家族も同行可能

※ パラグアイ(や他の南米諸国)は、こうした情報が明記されていたとしても、実際にその通りに運用されずに担当者の裁量に任されていることが結構あります。よって、他国に滞在していたとしても、1年に一度くらいはパラグアイに行った方が良さそうです。

パラグアイ外務省のサイトにあった以下の英文 PDF に概要がまとまっています。

PERMANENT RESIDENCE (ACCORDING TO THE MIGRATION LAW No. 978/96)

続きを読む

バルバドスの Barbados Welcome Stamp は1年間滞在可能

カリブ海の西インド諸島にある小国バルバドスでも、他のカリブ海諸国と同様のデジタルノマドビザがありますので紹介します。

バルバドスとは

西インド諸島にあるバルバドス島

西インド諸島の東の外れの方に、バルバドス島というのがあるのですが、そこがバルバドスという国です。面積は430㎢くらいで、東京都の約1/5、東京23区の2/3程度の大きさです。

バルバドス – Wikipedia

経済的には比較的裕福、物価は高めだが驚くほどではない

バルバドスはカリブ海諸国の中で最も裕福な国の1つです。教育水準も高く、治安もそこそこです。

島国のため、例によって物価は高いのですが、バミューダ諸島などのように馬鹿高いというほどではありません。食料品や生活必需品の物価は全般的に日本より少し高め、家賃は東京などよりは少し安いという感じです。

英語が公用語

バルバドスは元々イギリスの植民地で、現在は英連邦の一員です。そのため、公用語は英語なので、日本人にとっても比較的生活しやすいと思います。ただ、英語と言ってもそこはカリブ海の国なのでクレオール語に近く、聞き取りには苦労するかもしれません。

Barbados Welcome Stamp 概要

バルバドスのデジタルノマドビザである Barbados Welcome Stamp の概要を説明します。

  • 入国から1年間有効
    • 更新可能
  • 申請料は個人が2,000ドル(約22万円)、家族同行の場合は3,000ドル(約33万円)
  • オンラインで申請
  • 50,000ドル(約550万円)以上の年収が必要

詳細は以下のページをご参照下さい。

Barbados Welcome Stamp – Work Remotely In Barbados

続きを読む

ドバイ(UAE)の virtual working programme

お金持ちが集まる中東の小国ドバイ(UAE)でも、新たにデジタルノマド向けのビザが出来ましたので紹介します。

ドバイとは

アラブ首長国連邦(UAE)の構成国

ドバイは、アラブ首長国連邦(略称 UAE)を構成する国の1つです。国際的には UAE として1つの国なのですが、UAE を構成するドバイ、アブダビなどの7つの国それぞれの権限が強く、独立国に近い面もあります。

金融センター、経済の中心地

アラブ随一かつ世界的な金融センターで、ビジネスフレンドリーな都市と言えます。シンガポールには規模としては遠く及びませんが、中東のシンガポールと呼ばれることもあるようです。

また、ドバイは国際的なハブ空港として有名で、その点でもシンガポールと似ています。

観光地

ドバイはブルジュ・ハリーファを初めとする高層ビルが建ち並ぶ都会であると共に、ビーチや砂漠などもあります。世界中から観光客が訪れる観光地でもあり、お金さえあれば快適に過ごせます。

virtual working programme 概要

さて、そんなドバイのデジタルノマドビザである「virtual working programme」の概要を説明します。

  • 1年間有効
    • 1年後に再申請可能
  • 月5,000ドル(約55万円)の収入が必要
  • 申請費用は、全て合わせて611ドル(約6万7千円)
  • 6ヶ月連続でドバイを離れるとビザは無効になる
  • 銀行口座の開設可能
  • 家族の同行は今のところ不可の模様

詳細は以下のページをご参照下さい。

続きを読む

コスタリカのリタイアメントビザ

ここ最近は、ビザ・ステータス関連の海外ニュースの紹介が多かったのですが、今回は久しぶりにビザ・ステータス自体の紹介をします。

つい先日、コスタリカでもデジタルノマドビザの導入を検討中であるというニュースを紹介しましたが、(あまり有名ではないものの)コスタリカにはリタイアメントビザもありますので、今回そちらの紹介をします。

概要

年金生活者(スペイン語で pensionado)向けの制度です。

  • 2年間有効
    • 更新可能
  • 年金の証明が必要
    • 1000ドル(約11万円)/月以上
    • 一生支払われる年金である必要がある
  • 年齢制限はない
    • 「年金の」証明が必要なので、日本人に取っては実質的には60才以上
  • 家族の同行可能
  • 滞在義務あり
    • 年に1日以上という情報や年に4ヶ月以上という情報があった
    • 公式情報は見当たらず
  • 自分でビジネスを行うなどは可能だが、コスタリカ国内の企業に就職するのは不可
  • 3年滞在後に、永住権の申請が可能

在米コスタリカ大使館の以下のページに、基本的な情報がまとまっています。

Requirements for temporary residence in Costa Rica | Embajada de Costa Rica en DC

続きを読む