先日、以下のニュースが発表されたときには、関係者、現 MM2H 所持者に対して大きな衝撃を与えました。
MM2H の条件が厳しくなった理由
この件に関して、業者・関係者の方のお話をいくつか伺ったのですが、条件が大幅に変わった理由の1つとして
中国人が MM2H プログラムのルールを守らない
というのがあるそうです。具体的な話をすると、MM2H 所持者は就労不可なのですが、中国人 MM2H 所持者で不法就労している人が結構多いようです。(これは実際に事例を確認出来ます。)
また、別の理由としては、(これは証拠の取りづらい話なので話半分で聞いてもらいたいのですが、)MM2H でマレーシアに永住している人の中国人の中には、中国の情報機関あるいは産業スパイの人が一定数いるそうです。そのため、安全保障上の理由から、そうした人を(完全に排除するのは無理でも)減らしたいようです。
MM2H の統計を見てみると、累計では中国人の MM2H 所持者の割合は1/3弱です。ただ、この統計は2002年からの累計なので、ここ数年を見れば恐らく中国人の割合が半分くらいになるものと思われます。
もちろん、中国人の MM2H 保持者でも、法律等を遵守して普通に暮らしている人は多くいるはずですが、母数(中国人 MM2H 保持者)が多いことも相まって、ルール違反をする中国人が目立ってしまうという感じのようです。
大っぴらに国籍で区別しづらい
かといって、MM2H の申請資格に「中国人以外」や「中国人のみ定期預金額100万リンギット以上」といった条項を入れると中国側から大きな反発を得ることは必至ですので、こうした直接的な方法で大っぴらに中国人を排除、あるいは減らす事はできません。そのため、今回のように全体の条件を厳しくして、本当の退職者、あるいは富裕層に近い層のみが応募できるようにしたということだと思います。
それ以外には、国毎に人数制限(例えば、各国100人/年まで)をかけるという方法もあったかと思いますが、今回はその方法は取られていません。
他国でも同様の動きがありそう
コロナ禍で既存のビザプログラムを停止している国は他にもありますが、そうした国の中には、マレーシアと同様に再開後に条件を厳しくする可能性があるところもあります。
例えば、フィリピンの MM2H は、2021年8月25日現在、50才未満の申請受付が再開されていません。
SRRV はリタイアメントビザの一種ですが、35才以上から簡単に取得可能という点で他国の制度と一線を画していましたが、今後は、50才未満の申請条件が厳しくなる可能性もあります。本サイトでは、今後も関連ニュースに注視していきます。
さいごに
本サイトで何度か書いた通り、国を問わずビザ・ステータスの取得条件はちょくちょく変わります。緩くなる場合もあれば厳格化する場合もありますが、割合としては厳格化するものの方が多いと思います。
MM2H のように長期間有効なビザは、条件が厳しくなる可能性も考慮して、(お金に余裕があることが前提ですが)実際に必要となるより前に取得してしまうというのも一つの選択肢だと思います。