MM2H の条件変更を受け、サバ州でも独自 MM2H が出来る?

本サイトでは何回か取り上げていますが、MM2H の申請条件が大幅に厳しくなり、ちょっとした騒動となっています。

追記: 9/2に、一度発表した条件を再度見直すというニュースがありました。厳しすぎる条件について各方面から批判が出てためと思われます。このニュースに関しては、別途記事を書きます。

それに対して、マレーシアのサラワク州では独自の MM2H である S-MM2H があり、こちらは条件などに変更の予定は無いそうです。S-MM2H の詳細は以下のページをご参照下さい。

MM2H 改定により、サバ州の投資・消費の減少が懸念されている

サラワク州と同じボルネオ島に位置するサバ州にはサラワク州のような独自の MM2H はないため、今回の MM2H の改定により MM2H を取得してサバ州へ移住する人も減ることが予想され、そうした移住者経由の消費・投資が減ることも懸念されています。

サバ州の動き

こうした流れは当然サバ州の人々にとっては大きな懸念点となっており、それをうけてさまざまな動きが出ています。

サラワク州にならう?

1つ目が、サバ州でもマレーシア連邦の MM2H には従わずに、サラワク州のように独自の MM2H を作るべき、という動きです。

Sabah should have own guidelines for MM2H, says developers’ association | The Star

これは、日本人にとっては是非実現して欲しいです。

連邦政府への働きかけ

あるいは、MM2H の新条件を緩和して欲しいという働きかけを行ったりしているようです。

Sabah urges federal government to relax MM2H requirements

ただ、こうした働きかけは MM2H 業者の協会とかも行っているようですが、日本のとある業者の方の話では「実際に緩和される可能性は少なそう」とのことです。

サバ州 MM2H が出来るとしたら・・・

内容を夢想する

この項は完全に想像です。

MM2H のようなプログラムを作る一番の目的は、その地域での投資・消費を促進することです。従って、以下のような条件が付けられる可能性は高いです。

  • サバ州内の不動産購入
  • サバ州への滞在義務

その一方、こうしたプログラムというのは他のプログラム(他国のものも含む)との競争という面もあるので、あまり厳しくし過ぎると人が集まりません。従って、同じマレーシア国内の MM2H やサラワク MM2H より魅力的にしてくることと思われます。となると

  • サバ州内にRM600,000以上(約1640万円)の居住用不動産の購入(サラワク MM2H と同じ)
  • サバ州へは5日/年の滞在義務
  • サバ州内の銀行にRM300,000以上 (約800万円)の定期預金

くらいであれば、MM2H や サラワク MM2H よりこちらを選ぶ人が多そうです。

略すと S-MM2H となり紛らわしい

余談ですが、サバ州(Sabah)とサラワク州(Sarawak)は、共に頭文字が「S」なので、サバ州独自の MM2H が出来ると、略称が共に S-MM2H となって紛らわしいですね。

サバ州とは

サバ州と言っても普通の人にはピンとこないと思いますので、簡単に説明します。

ボルネオ島

サバ州やサラワク州といった名前は知らなくてもボルネオ島という名前を聞いたことのある人はそれなりにいると思います。

ボルネオ島 – Wikipedia

ボルネオ島は自然豊かな場所なのですが、何よりも特徴的なのが、島が以下の3カ国によって分割されていることです。

  • マレーシア
  • インドネシア
  • ブルネイ

島が複数の国に分かれているのって珍しいですよね。個人的にパッと思いつくのは、アイルランドとイギリス(北アイルランド)くらいです。

さて、そんなボルネオ島ですが、マレーシアの場合はさらにサバ州、サラワク州、連邦領ラブアンに分かれています。本ブログを読んで下さっている方であれば、おなじみの名前ですね。

自治権

歴史的経緯から、サバ州ではサラワク州と同様に高度な自治権を認められています。

サバ州 – Wikipedia

その高度な自治権があるため、サラワク州は独自の MM2H 制度を作る事が出来ているのですが、サバ州にも同様な自治権があるため、サバ州でも独自の MM2H 制度を作ることは可能だと思います。

コタキナバル(日本人学校あり)

サバ州の州都であるコタキナバルは、「東マレーシア(ボルネオ島のマレーシア領地域)で最大の都市、人口は約47万人」です。

コタキナバル – Wikipedia

コタキナバルは人口約47万人ですしそこまで大きな都市ではないのですが、特筆すべき点として日本人学校があります。規模としてはかなり小さいようですが、海外移住に際し、日本で育ってきたお子さんをいきなりインターナショナルスクールに入れるのには抵抗がある方も多いと思います。そうした方にとっては、コタキナバルは選択肢となり得ると思います。

もう1つのメリットを挙げると、コタキナバルには成田からの直行便が週2便ですがあります。海外に移住するとしても日本に帰国する機会というのは結構あるので(私自身そうでした)、直行便があるかないかというのは意外に大きいです。

まとめ

サバ州はサラワク州と同じく、ボルネオ島にある高度な自治権を有するマレーシア領です。MM2H の新制度導入に伴い、マレーシア、ひいてはサバ州へ移住する人が減ることが懸念される中、サバ州でも独自の MM2H を作るべきだ、という意見が一部から上がりつつあります。

サバ MM2H が仮に出来るとしたら、サラワク MM2H より有利な条件となる可能性もあります。また、サバ州の州都であるコタキナバルは、サラワク州に比べれば都会ですし日本人学校もありますので、家族連れで移住するにはサラワク州よりも魅力的です。

今後も最新情報をチェックして、随時本ブログで紹介していこうと思います。

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