ウクライナのIT技術者向け永住権

つい先日、ウクライナの投資永住権について記事を書きましたが、IT技術者向けであれば比較的簡単に永住権が取れそうなので、調べてまとめてみました。

日本語だと、以下の記事を書いている柴田裕史さんという方が発信している情報(及びそれを参照している)が大半なので、英語のウェブサイトやウクライナの法律事務所に問い合わせた内容なども含めてまとめます。

〖速報 〗ウクライナ、日本人含む外国人ITスペシャリスト向けに永住権を発行することを決定! 柴田裕史:隠れたIT大国 ウクライナ:オルタナティブ・ブログ

概要

  • 10年間有効、更新可能
  • 就労可能
  • ウクライナでの滞在義務無し
  • 家族も同行可能
  • IT 技術者が対象(詳細は後述)
    • フリーランスでも取得可能
      • ウクライナ企業との契約などは不要
    • 年間で約5,000人の枠が定められている

制度の概要は、以下の公式サイトを見て頂くのが良いと思います。

Quotas for foreign ІТ specialists

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イタリアにフリーランスとして移住する

先日、イタリアのリタイアメントビザについて記事を書きましたが(以下を参照)、今回はイタリアでフリーランスとして就労ビザを取得して移住する方法について説明します。読んで頂くとお気づきになるかもしれませんが、手続きは似ている部分が結構あります。

自営業者向けビザ概要

  • 最長2年間有効、更新可能
    • 5年経過後には、永住権の申請が可能
      • 他のEU諸国とほぼ同様
  • イタリアの顧客がいた方が望ましい(必須では無さそう)
  • 6ヶ月以上連続でイタリアを離れていると更新不可
  • 年間の発行数に制限がある(Decreto Flussi)
    • 例外あり(後述)

なお、イタリアの自営業者向けビザを使っての永住は、

  1. 日本で自営業者向けビザを取得
  2. イタリアに渡航し、1ヶ月以内に居住許可の申請、その後取得

というのが大まかな流れです。詳しくは、イタリア大使館の以下のページを参照して下さい。

Visti

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EU 各国に5年住むと、EU 長期居住者の申請が可能

今までにEU各国のビザをいくつか紹介してきましたが、それらの記事の中で「5年間滞在すると永住権の申請が可能」というような事を書きました。それらは、各国個別にバラバラに決めた制度では無く、「EU理事会指令2003/109/EC(長期居住者指令)」に基づいて EU 加盟各国が制度化したものです。

今回は、その「EU 長期居住者」について書いていきます。

制度の背景

EU 各国は当たり前ですがそれぞれ独立した国家で、ビザ・永住権・市民権・移民関連の政策なども国によって独自に制定されています。(※)

※: 金融政策や関税等、各国独自に決められないものもあります。

ただ、各国がバラバラに制度を決めてしまうと、EU 全体として統一感が無くなったり色々不都合が生じたりするため、欧州議会・理事会が「指令」を決議し、各国がそれに従って法制化をするということが良くあります。

今回の「EU 長期居住者」も、前述の通り「EU理事会指令2003/109/EC(長期居住者指令)」に基づいて EU 加盟各国が制度化したものです。

EU理事会指令2003/109/EC(長期居住者指令)の原文は→ こちら

ちなみに、長期居住者以外にも、労働ビザ・滞在許可に関する指令(こちらのページを参照)も存在します。

EU 各国のビザ・永住権の制度が似ているのはこうした理由によります。

制度概要

  • 国によって制度は若干異なる
  • 本制度を申請する国に5年以上滞在していることが条件(詳細は「取得の条件」の項を参照)
  • EU市民とほぼ同等の権利を得られる(詳細は「出来る事」の項を参照)
  • 有効期限は最低でも5年
    • 更新可能(自動更新の場合が多い)

英語ですが、Wikipedia にも情報があります。

Long-term resident (European Union) – Wikipedia

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スペインの自営業者向け就労ビザ

過去に、ドイツやチェコのフリーランス向けビザを紹介しましたが、スペインでもフリーランスが取得出来るビザがありますので紹介します。

なお、スペインに移住する方法としてはリタイアメントビザもありますので、興味のある方はそちらもご参照下さい。

概要

  • 初回は1年間有効、以降は2年毎に更新
    • 5年経過後には、永住権の申請が可能
      • 他のEU諸国とほぼ同様
  • 事業計画などの提出が必要
  • 年間183日以上、スペインへの滞在義務あり
    • 満たさない場合、ビザの更新は不可

なお、スペインの自営業者向け就労ビザを使っての永住は、

  1. 日本で自営業者向け就労ビザを取得
  2. スペインに渡航し、1ヶ月以内に居住許可の申請、その後取得

というのが大まかな流れです。

以下のページの「3. 自営業者(CUENTA PROPIA)の居住・労働許可」が参考になると思います。

日本企業関係者の労働・居住許可等について | 在スペイン日本国大使館

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ドイツのフリーランス/アーティストビザ

ドイツにはフリーランス向けのビザ(正確には滞在許可)があり、それで滞在している日本人もそれなりの数がいます。また、デザイナーなどの場合「アーティストビザ」と書いている方もいますが、手続き等は基本的にはフリーランスビザと同じですので、まとめて紹介します。

概要

  • 6ヶ月〜3年間有効
    • 更新可能
  • 6ヶ月以上連続でドイツを離れる事は出来ない
  • フリーランスとして活動する領域を予め申請する
    • その領域以外の仕事は不可
  • 事業計画、収支計画などが必要
    • ドイツ国内に既に顧客がいることが必須
  • 滞在先を管轄する外国人局にて申請する
    • 地域によって条件・難易度などが異なる

他のヨーロッパ各国にあるフリーランスビザと似たような感じだと思います。

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フランスの「リタイアメントビザ」

欧州の大国、フランスにも「リタイアメントビザ」があります。といっても、東南アジア各国のものとは異なり有効期間は1年間ですが、更新も可能です。

概要

  • 1年間有効のビジタービザ
    • 更新可能(※)
  • フランス国内に住居が必要(賃貸あるいは購入)
  • 年金等の収入の証明が必要
    • 約243万円/年(※)
  • 就労は不可
    • リモートワークも避けた方が良い(※)
  • 家族の同行可能

※: 詳細は後述します

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フィリピンの条約投資家(9d)ビザ

フィリピンに移住したい方は、比較的手頃な金額で取得可能な SRRV があり、大半の場合は SRRV を取得するのが最適解です。

また、SRRV 以外の選択肢として、ASRV、クォータビザもあり、SRRV も含めた比較記事を以前書きました。

今回は、それ以外の選択肢として、フィリピン企業を設立してビザを取得する方法を説明します。

フィリピン企業が、社員や役員のために申請可能なビザは主に以下のものがあります。

  • 9gビザ(普通の就労ビザ)
  • 9dビザ(Treaty Trader or Treaty Investor Visa)
  • PEZAビザ

今回は、そのうち Treaty Trader’s or Treaty Investor’s Visa(条約事業者、あるいは条約投資家ビザ)を紹介します。CA No. 613 の Section 9(d) に基づくビザのため、一般的には「9dビザ」と呼ばれます。

先に結論を書くと、本ブログの対象読者の方には、9dビザよりは SRRV などをお勧めします。

概要

9dビザについて

  • ビザ取得の条件
    • ビザ申請者は日本、アメリカ、ドイツ国籍のいずれか
    • フィリピン企業が以下のどちらかを満たす
      • Treaty Trader: その企業と日本との間でそれなりの額の取引をしている
      • Treaty Investor: ビザ申請者がその企業に一定額以上の投資をした(している途中)
        • 公式ページには明示されていないが、12万ドル(約1,320万円)との情報
    • そのフィリピン企業の取締役、マネージャーなどの役職に就いている
  • 通常の就労ビザ(9gビザ)と手続きなどは似ている
  • 有効期限は1年か2年、延長可能
  • 配偶者、21才未満の未婚の子供も取得可能

ビザの詳細は、以下のページを参照して下さい。

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イタリアの「リタイアメントビザ」

イタリアにはリタイアメントビザという名前ではありませんが、リタイアした人が取得可能なビザがありますので、今回紹介します。

概要

ビザの名前は、英語で「Elective Residence Visa」、イタリア語では「Visto per residenza elettiva」で、日本語にすると「選択的滞在ビザ」という感じでしょうか。後述する通り、イタリアに住むことを選択する人向けのビザです。

  • 18才以上であること
  • 最低31,000ユーロ/年(約403万円)程度の不労所得(年金・配当など)があること
    • 個別の状況に応じて判断されるので、もっと多くないとダメな場合もあるようです
  • イタリア国内に住居が必要
    • 賃貸でも購入でも可能
  • 就労は不可
    • リモートワークも不可
  • 1年間有効
    • 更新可能
    • 更新後は、有効期間は2年間
  • 6ヶ月以上連続でイタリアを離れていると更新不可

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スペインのリタイアメントビザ

スペインにも退職者向けのリタイアメントビザの制度があるのですが、在日スペイン大使館等、日本語での公式情報は見当たりません。以下が理由のようです。

年に何回も規定が変わることから、大使館では情報の錯綜を防ぐために情報の公開を避けています。

ヨーロッパ・リタイアメント制度一覧

ただ、在米スペイン大使館のサイトに情報があるので、そちらを中心に情報をまとめてみました。頻繁に変わる可能性があることにご留意下さい。

概要

  • 年齢制限は無し
  • 必要な収入は25,560ユーロ/年(約332万円)、2,130ユーロ/月(約28万円)
    • 不動産収入、給与収入は対象外
  • 就労不可
    • スペイン国外の企業向けのリモートワークは可能?(詳細は後述)
  • 有効期間は1年、以降2年ごとに更新
    • 5年経過後は、永住権の取得可能
  • 年間183日以上、スペインへの滞在義務あり
    • 満たさない場合、ビザの更新は不可
  • 正式には「非営利目的査証」(英: Non-Lucrative Visa、西: Visado de Residencia No Lucrativa)

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チェコにフリーランスとして移住する

本サイトでは、日本から近い東南アジアの国の紹介が多かったのですが、今回は東欧のチェコにフリーランスとして移住するという内容を書きます。個人的にも、チェコには知り合いが住んでいたり取引先があったりと馴染みのある国です。

概要

開業届とビザは別物

チェコにフリーランスとして移住する方法ですが、大まかに言うと

  • チェコでフリーランスとして開業届(Živnostenský list、略称 Živno、英: Trade license)を取得する
  • 開業済みのフリーランスとして、長期ビザ(Long-term visa、半年間有効)を取得する
    • その後、長期滞在許可(Long-term residence、最長2年有効)の取得が可能

という仕組みです。

制度概要

  • 開業届(Živno)
    • 社会保険、健康保険、納税の義務が発生
    • 業種の制限は少ない
  • 長期ビザ
    • 生活費として、銀行口座に124,500コルナ(約63万円)が必要
    • 最初は6ヶ月間有効
  • 長期滞在許可
    • 最長2年間有効、更新可能
    • 数ヶ月チェコを離れていても問題無いが、長期間だと更新できない可能性もある模様
  • チェコに5年間滞在後、永住権の申請が可能

チェコは制度が良く変わるようなので、詳細は在日チェコ大使館に問い合わせるのが確実です。

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