バハマのデジタルノマドビザ BEATS

アメリカのフロリダ州からすぐ近くにある島国、バハマ。そこにも BEATS と呼ばれるデジタルノマドビザがありますので、今回紹介します。他のカリブ海諸国と似たような制度です。

※ 正確には、バハマがあるのはカリブ海ではなく北大西洋ですが。

バハマとは

北大西洋、フロリダ州のそばの島国

普通の日本人に取ってはバハマはあまり馴染みが無いと思います。基本的な情報はここで細かく書くよりは Wikipedia を見てもらった方が良いと思いますのでリンクを貼ります。

バハマ – Wikipedia

リゾート地で物価は先進国並み

バハマは地理的にアメリカに近いため、北米の人に人気のリゾート地です。欧米諸国から直行便も多く、高級リゾートというよりは比較的お手頃なリゾート地です。

物価ですが、リゾート地のため、以前紹介したバミューダ諸島ほどではありませんがそれなりに高いです。アメリカ本土と同じ程度と思えば良いと思います。

アパートとかもあまり安いところは無いようですが、月1,000ドル(約11万円)前後のものはそれなりに多く見つかりました。

英語が公用語

バハマは英連邦の一員で、公用語は英語です。アメリカ人にとって人気がある理由の一つでしょう。日本人にとっても、英語が通じるというのは、(日本語が通じるハワイなどには適いませんが)大きなメリットだと思います。

タックスヘイブン

バハマはタックスヘイブンとして有名です。そのため、外国人が銀行口座を開くのも簡単です。

BEATS 概要

本題に入ります。

BEATS は 「The Bahamas Extended Access Travel Stay」の略語で、名前から分かる通り旅行としての滞在を延長したようなもの、という感じです。制度の概要を以下に記載します。

  • 1年間有効
    • 更新可能(合計して3年間まで滞在可能
    • 滞在義務は無し
  • 申請料等は1人1,025バハマドル(約11万円、※)
    • 同行家族、あるいは申請者が学生の場合は525バハマドル(約5万8千円)
  • 対象者
    • リモートワーカー
    • リモートで学ぶ学生
  • リモートワーカーは家族も同行可能
  • オンラインで申請
  • リモートワーカーの場合、雇用の証明が必要だが、収入証明は不要

※: バハマドルは米ドルと1:1の固定相場制

詳細は以下のサイトをご覧下さい。

Living in the Caribbean | Bahamas BEATS

続きを読む

マルタのデジタルノマドビザは1年間有効で更新可能

マルタは地中海に浮かぶ島国(イタリアのシチリア島の南)ですが、ヨーロッパでは珍しく英語が公用語の国のため、英語留学でも割と人気があります。そんなマルタですが、今年の6月頃にデジタルノマドビザ(正式名称 The Nomad Residence Permit)の制度が出来ましたので、紹介します。

概要

  • 1年間有効
    • 条件を満たす限り更新可能
  • 以下の人が対象
    • マルタ国外の企業で働いている会社員
    • マルタ国外の自営業(企業の株主・パートナー)
    • 主にマルタ国外の顧客を相手にしているフリーランス
  • 2,700ユーロ/月(約35万円)以上の収入が必要
  • 家族も同行可能
  • 費用は300ユーロ/人(本人、同行家族共に)
  • 旅行保険に入っている必要がある
  • 申請承認後、住居の証明が必要(賃貸あるいは購入)

詳細は以下のページをご参照下さい。

Residency Malta Agency

続きを読む

台湾ゴールドカードは就労可能、更新可能

台湾では、就労許可証と滞在許可がセットになった「Taiwan Employment Gold Card」という制度が2018年に開始しましたので、今回それを紹介します。

以下、公式サイトです。

Official Website | Taiwan Gold Card

概要

  • 最長3年間有効
    • 更新可能
  • 就労可能(open-end =特定の雇用主に縛られずに)
    • 企業で働くことも自営業を始める事も可能
  • 滞在義務は無い
  • 家族同伴可能
  • 申請費用は、期間・国籍によって異なる
    • 日本人が日本国内で3年間のものを申請した場合、5,760台湾ドル(約2万3千円)
  • 科学技術、経済、教育などの特定の分野で一定の条件を満たした人が対象
    • 例: それらの業種で160,000台湾ドル(約63万円)以上の月収がある
  • 台湾の健康保険を使用可能
    • 台湾企業で働いていない場合は、カード取得の6ヶ月後から
  • 税制優遇措置がある

続きを読む

ウクライナのIT技術者向け永住権

つい先日、ウクライナの投資永住権について記事を書きましたが、IT技術者向けであれば比較的簡単に永住権が取れそうなので、調べてまとめてみました。

日本語だと、以下の記事を書いている柴田裕史さんという方が発信している情報(及びそれを参照している)が大半なので、英語のウェブサイトやウクライナの法律事務所に問い合わせた内容なども含めてまとめます。

〖速報 〗ウクライナ、日本人含む外国人ITスペシャリスト向けに永住権を発行することを決定! 柴田裕史:隠れたIT大国 ウクライナ:オルタナティブ・ブログ

概要

  • 10年間有効、更新可能
  • 就労可能
  • ウクライナでの滞在義務無し
  • 家族も同行可能
  • IT 技術者が対象(詳細は後述)
    • フリーランスでも取得可能
      • ウクライナ企業との契約などは不要
    • 年間で約5,000人の枠が定められている

制度の概要は、以下の公式サイトを見て頂くのが良いと思います。

Quotas for foreign ІТ specialists

続きを読む

イタリアにフリーランスとして移住する

先日、イタリアのリタイアメントビザについて記事を書きましたが(以下を参照)、今回はイタリアでフリーランスとして就労ビザを取得して移住する方法について説明します。読んで頂くとお気づきになるかもしれませんが、手続きは似ている部分が結構あります。

自営業者向けビザ概要

  • 最長2年間有効、更新可能
    • 5年経過後には、永住権の申請が可能
      • 他のEU諸国とほぼ同様
  • イタリアの顧客がいた方が望ましい(必須では無さそう)
  • 6ヶ月以上連続でイタリアを離れていると更新不可
  • 年間の発行数に制限がある(Decreto Flussi)
    • 例外あり(後述)

なお、イタリアの自営業者向けビザを使っての永住は、

  1. 日本で自営業者向けビザを取得
  2. イタリアに渡航し、1ヶ月以内に居住許可の申請、その後取得

というのが大まかな流れです。詳しくは、イタリア大使館の以下のページを参照して下さい。

Visti

続きを読む

スペインの自営業者向け就労ビザ

過去に、ドイツやチェコのフリーランス向けビザを紹介しましたが、スペインでもフリーランスが取得出来るビザがありますので紹介します。

なお、スペインに移住する方法としてはリタイアメントビザもありますので、興味のある方はそちらもご参照下さい。

概要

  • 初回は1年間有効、以降は2年毎に更新
    • 5年経過後には、永住権の申請が可能
      • 他のEU諸国とほぼ同様
  • 事業計画などの提出が必要
  • 年間183日以上、スペインへの滞在義務あり
    • 満たさない場合、ビザの更新は不可

なお、スペインの自営業者向け就労ビザを使っての永住は、

  1. 日本で自営業者向け就労ビザを取得
  2. スペインに渡航し、1ヶ月以内に居住許可の申請、その後取得

というのが大まかな流れです。

以下のページの「3. 自営業者(CUENTA PROPIA)の居住・労働許可」が参考になると思います。

日本企業関係者の労働・居住許可等について | 在スペイン日本国大使館

続きを読む

ドイツのフリーランス/アーティストビザ

ドイツにはフリーランス向けのビザ(正確には滞在許可)があり、それで滞在している日本人もそれなりの数がいます。また、デザイナーなどの場合「アーティストビザ」と書いている方もいますが、手続き等は基本的にはフリーランスビザと同じですので、まとめて紹介します。

概要

  • 6ヶ月〜3年間有効
    • 更新可能
  • 6ヶ月以上連続でドイツを離れる事は出来ない
  • フリーランスとして活動する領域を予め申請する
    • その領域以外の仕事は不可
  • 事業計画、収支計画などが必要
    • ドイツ国内に既に顧客がいることが必須
  • 滞在先を管轄する外国人局にて申請する
    • 地域によって条件・難易度などが異なる

他のヨーロッパ各国にあるフリーランスビザと似たような感じだと思います。

続きを読む

イタリアの「リタイアメントビザ」

イタリアにはリタイアメントビザという名前ではありませんが、リタイアした人が取得可能なビザがありますので、今回紹介します。

概要

ビザの名前は、英語で「Elective Residence Visa」、イタリア語では「Visto per residenza elettiva」で、日本語にすると「選択的滞在ビザ」という感じでしょうか。後述する通り、イタリアに住むことを選択する人向けのビザです。

  • 18才以上であること
  • 最低31,000ユーロ/年(約403万円)程度の不労所得(年金・配当など)があること
    • 個別の状況に応じて判断されるので、もっと多くないとダメな場合もあるようです
  • イタリア国内に住居が必要
    • 賃貸でも購入でも可能
  • 就労は不可
    • リモートワークも不可
  • 1年間有効
    • 更新可能
    • 更新後は、有効期間は2年間
  • 6ヶ月以上連続でイタリアを離れていると更新不可

続きを読む

スペインのリタイアメントビザ

スペインにも退職者向けのリタイアメントビザの制度があるのですが、在日スペイン大使館等、日本語での公式情報は見当たりません。以下が理由のようです。

年に何回も規定が変わることから、大使館では情報の錯綜を防ぐために情報の公開を避けています。

ヨーロッパ・リタイアメント制度一覧

ただ、在米スペイン大使館のサイトに情報があるので、そちらを中心に情報をまとめてみました。頻繁に変わる可能性があることにご留意下さい。

概要

  • 年齢制限は無し
  • 必要な収入は25,560ユーロ/年(約332万円)、2,130ユーロ/月(約28万円)
    • 不動産収入、給与収入は対象外
  • 就労不可
    • スペイン国外の企業向けのリモートワークは可能?(詳細は後述)
  • 有効期間は1年、以降2年ごとに更新
    • 5年経過後は、永住権の取得可能
  • 年間183日以上、スペインへの滞在義務あり
    • 満たさない場合、ビザの更新は不可
  • 正式には「非営利目的査証」(英: Non-Lucrative Visa、西: Visado de Residencia No Lucrativa)

続きを読む

チェコにフリーランスとして移住する

本サイトでは、日本から近い東南アジアの国の紹介が多かったのですが、今回は東欧のチェコにフリーランスとして移住するという内容を書きます。個人的にも、チェコには知り合いが住んでいたり取引先があったりと馴染みのある国です。

概要

開業届とビザは別物

チェコにフリーランスとして移住する方法ですが、大まかに言うと

  • チェコでフリーランスとして開業届(Živnostenský list、略称 Živno、英: Trade license)を取得する
  • 開業済みのフリーランスとして、長期ビザ(Long-term visa、半年間有効)を取得する
    • その後、長期滞在許可(Long-term residence、最長2年有効)の取得が可能

という仕組みです。

制度概要

  • 開業届(Živno)
    • 社会保険、健康保険、納税の義務が発生
    • 業種の制限は少ない
  • 長期ビザ
    • 生活費として、銀行口座に124,500コルナ(約63万円)が必要
    • 最初は6ヶ月間有効
  • 長期滞在許可
    • 最長2年間有効、更新可能
    • 数ヶ月チェコを離れていても問題無いが、長期間だと更新できない可能性もある模様
  • チェコに5年間滞在後、永住権の申請が可能

チェコは制度が良く変わるようなので、詳細は在日チェコ大使館に問い合わせるのが確実です。

続きを読む