スペインがデジタルノマドビザの導入を検討中

スペインへの移住方法に使えるビザとして、本サイトでは「リタイアメントビザ」と「自営業者向け就労ビザ」を紹介しました。

これに加えて、スペイン政府は所謂「デジタルノマドビザ」の導入も検討しているようなので、簡単に紹介します。

【重要】本記事に記載の内容は、草案段階の法律の情報を元にしていますので、今後内容が変わる可能性があります。

導入検討中のビザの概要

  • 1年間有効
  • その後、2年間の更新が可能
  • リモートワーカーが対象
    • フリーランス
    • スペイン国外の企業で働く会社員
  • 税制面での優遇もあり

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MM2H の条件変更を受け、サバ州でも独自 MM2H が出来る?

本サイトでは何回か取り上げていますが、MM2H の申請条件が大幅に厳しくなり、ちょっとした騒動となっています。

追記: 9/2に、一度発表した条件を再度見直すというニュースがありました。厳しすぎる条件について各方面から批判が出てためと思われます。このニュースに関しては、別途記事を書きます。

それに対して、マレーシアのサラワク州では独自の MM2H である S-MM2H があり、こちらは条件などに変更の予定は無いそうです。S-MM2H の詳細は以下のページをご参照下さい。

MM2H 改定により、サバ州の投資・消費の減少が懸念されている

サラワク州と同じボルネオ島に位置するサバ州にはサラワク州のような独自の MM2H はないため、今回の MM2H の改定により MM2H を取得してサバ州へ移住する人も減ることが予想され、そうした移住者経由の消費・投資が減ることも懸念されています。

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中国人と各国ビザの厳格化

先日、以下のニュースが発表されたときには、関係者、現 MM2H 所持者に対して大きな衝撃を与えました。

MM2H の条件が厳しくなった理由

この件に関して、業者・関係者の方のお話をいくつか伺ったのですが、条件が大幅に変わった理由の1つとして

中国人が MM2H プログラムのルールを守らない

というのがあるそうです。具体的な話をすると、MM2H 所持者は就労不可なのですが、中国人 MM2H 所持者で不法就労している人が結構多いようです。(これは実際に事例を確認出来ます。)

また、別の理由としては、(これは証拠の取りづらい話なので話半分で聞いてもらいたいのですが、)MM2H でマレーシアに永住している人の中国人の中には、中国の情報機関あるいは産業スパイの人が一定数いるそうです。そのため、安全保障上の理由から、そうした人を(完全に排除するのは無理でも)減らしたいようです。

MM2H の統計を見てみると、累計では中国人の MM2H 所持者の割合は1/3弱です。ただ、この統計は2002年からの累計なので、ここ数年を見れば恐らく中国人の割合が半分くらいになるものと思われます。

MM2H Statistics | mm2h

もちろん、中国人の MM2H 保持者でも、法律等を遵守して普通に暮らしている人は多くいるはずですが、母数(中国人 MM2H 保持者)が多いことも相まって、ルール違反をする中国人が目立ってしまうという感じのようです。

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フィリピンの投資ビザ SIRV に今後注目すべき理由

フィリピンの主な永住権やビザは本サイトで既に紹介しましたが、今回は投資ビザである SIRV (Special Investor’s Resident Visa) を紹介します。今までは、フィリピン移住の大半のケースでは SRRV で十分であり SIRV はあまり使いどころが無かったのですが、後述の理由により、今後は SIRV が必要となるケースが増えるかもしれません。

なお、SRRV、ASRV など、似たような名前のものが多いですが、混同しないように気をつけて下さい。フィリピンの主要なビザに関しては、以下で紹介しています。

SIRV 概要

  • 75,000ドル(約820万円)以上の投資が必要
    • 投資対象に制限あり
  • 21才以上が対象
  • 家族(配偶者、21才未満の子供)もビザ取得可能
  • フィリピンでの滞在義務は無い
  • 年に一回、投資委員会(BOI = Board of Investments)に報告書の提出が必要
  • 銀行口座開設可能
    • 証券口座も開設可能
  • 就労も可能だが、AEP (Alien Employment Permit) の取得が必要
  • 外国人登録(ACR)は不要
    • ID カードの更新(1年か3年ごと)は必要なので、ACR と手間はあまり変わらない
    • 他のビザだと、1年か3年ごとに ACR の更新が必要
  • 申請手続きのため、現地で概ね1〜2ヶ月の滞在が必要(後述)

SRRV と似ていることに気づいたかもしれません。

投資委員会のサイトにある以下の PDF ファイル(英語)を読むと、一通り概要は分かると思います。

QUESTIONS & ANSWERS

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MM2H の新条件で月収証明(約104万円)をクリアする方法

本サイトでも何回か触れましたが、MM2H の条件が変更になって再開することになり、関係者は大騒ぎになりました。

新条件などに関しては、以下のページをご参照下さい。

MM2H 変更のポイント

新条件は既存 MM2H の更新時にも適用される

変更のポイントとしては

  1. 申請の際に必要な金額が大幅に上がった
  2. 新規の申請だけで無く、既存の MM2H 保持者が更新する際にも新条件が適用される

という2点なのですが、特に2点目は、現在 MM2H でマレーシアに住んでいる人にとっては一大事です。

月収104万円以上(!)が必要になった

金額の条件が大きく変わったのですが、新条件の主なものは以下の通りです。

  • 必要な資産額: 1,500,000リンギット以上(約3900万円)
  • 定期預金: 1,000,000リンギット以上(約2600万円)
  • 必要な月収: 40,000リンギット以上(約104万円

このうち、最初の2つは退職金やその他の金融資産を集めて条件を満たすことが出来る人もそれなりに多いと思いますが、最後の「月収」約104万円以上という条件は、特に年金生活者にとってはかなり厳しいでしょう。

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バハマのデジタルノマドビザ BEATS

アメリカのフロリダ州からすぐ近くにある島国、バハマ。そこにも BEATS と呼ばれるデジタルノマドビザがありますので、今回紹介します。他のカリブ海諸国と似たような制度です。

※ 正確には、バハマがあるのはカリブ海ではなく北大西洋ですが。

バハマとは

北大西洋、フロリダ州のそばの島国

普通の日本人に取ってはバハマはあまり馴染みが無いと思います。基本的な情報はここで細かく書くよりは Wikipedia を見てもらった方が良いと思いますのでリンクを貼ります。

バハマ – Wikipedia

リゾート地で物価は先進国並み

バハマは地理的にアメリカに近いため、北米の人に人気のリゾート地です。欧米諸国から直行便も多く、高級リゾートというよりは比較的お手頃なリゾート地です。

物価ですが、リゾート地のため、以前紹介したバミューダ諸島ほどではありませんがそれなりに高いです。アメリカ本土と同じ程度と思えば良いと思います。

アパートとかもあまり安いところは無いようですが、月1,000ドル(約11万円)前後のものはそれなりに多く見つかりました。

英語が公用語

バハマは英連邦の一員で、公用語は英語です。アメリカ人にとって人気がある理由の一つでしょう。日本人にとっても、英語が通じるというのは、(日本語が通じるハワイなどには適いませんが)大きなメリットだと思います。

タックスヘイブン

バハマはタックスヘイブンとして有名です。そのため、外国人が銀行口座を開くのも簡単です。

BEATS 概要

本題に入ります。

BEATS は 「The Bahamas Extended Access Travel Stay」の略語で、名前から分かる通り旅行としての滞在を延長したようなもの、という感じです。制度の概要を以下に記載します。

  • 1年間有効
    • 更新可能(合計して3年間まで滞在可能
    • 滞在義務は無し
  • 申請料等は1人1,025バハマドル(約11万円、※)
    • 同行家族、あるいは申請者が学生の場合は525バハマドル(約5万8千円)
  • 対象者
    • リモートワーカー
    • リモートで学ぶ学生
  • リモートワーカーは家族も同行可能
  • オンラインで申請
  • リモートワーカーの場合、雇用の証明が必要だが、収入証明は不要

※: バハマドルは米ドルと1:1の固定相場制

詳細は以下のサイトをご覧下さい。

Living in the Caribbean | Bahamas BEATS

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マルタのデジタルノマドビザは1年間有効で更新可能

マルタは地中海に浮かぶ島国(イタリアのシチリア島の南)ですが、ヨーロッパでは珍しく英語が公用語の国のため、英語留学でも割と人気があります。そんなマルタですが、今年の6月頃にデジタルノマドビザ(正式名称 The Nomad Residence Permit)の制度が出来ましたので、紹介します。

概要

  • 1年間有効
    • 条件を満たす限り更新可能
  • 以下の人が対象
    • マルタ国外の企業で働いている会社員
    • マルタ国外の自営業(企業の株主・パートナー)
    • 主にマルタ国外の顧客を相手にしているフリーランス
  • 2,700ユーロ/月(約35万円)以上の収入が必要
  • 家族も同行可能
  • 費用は300ユーロ/人(本人、同行家族共に)
  • 旅行保険に入っている必要がある
  • 申請承認後、住居の証明が必要(賃貸あるいは購入)

詳細は以下のページをご参照下さい。

Residency Malta Agency

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台湾ゴールドカードは就労可能、更新可能

台湾では、就労許可証と滞在許可がセットになった「Taiwan Employment Gold Card」という制度が2018年に開始しましたので、今回それを紹介します。

以下、公式サイトです。

Official Website | Taiwan Gold Card

概要

  • 最長3年間有効
    • 更新可能
  • 就労可能(open-end =特定の雇用主に縛られずに)
    • 企業で働くことも自営業を始める事も可能
  • 滞在義務は無い
  • 家族同伴可能
  • 申請費用は、期間・国籍によって異なる
    • 日本人が日本国内で3年間のものを申請した場合、5,760台湾ドル(約2万3千円)
  • 科学技術、経済、教育などの特定の分野で一定の条件を満たした人が対象
    • 例: それらの業種で160,000台湾ドル(約63万円)以上の月収がある
  • 台湾の健康保険を使用可能
    • 台湾企業で働いていない場合は、カード取得の6ヶ月後から
  • 税制優遇措置がある

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EU 圏の投資ビザ最安値は約3200万円

本ブログの対象読者は非富裕層なので、EU 圏の投資移民はなかなか手が出ないと思います。ただ、EU 圏の投資ビザ最安値は25万ユーロ(約3200万円)で、その他の費用も含めると3500万円で何とか収まります。

3500万円なら持ち家を売ったりして何とかなる、という人もいると思いますので、最安値の投資ビザを紹介します。

最安値は25万ユーロ、3カ国

実は、最安値の25万ユーロで移住出来る EU圏の国は、以下の3カ国あります。

  • イタリア
  • ギリシャ
  • ポルトガル

ただ3カ国の投資ビザは性格がそれぞれ異なりますので、後ほど個別に説明します。

これらの3カ国のどれかに住みたいのであれば、その国の投資ビザ(あるいは他のビザ)を取得すれば良いですが、

「EU圏であればどこでも良いので、保険として永住権を持っておきたい」

という方であれば、ギリシャが良いかもしれません。

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マレーシア MM2H の条件が大幅に厳しくなって2021年10月に再開予定

コロナ禍で申請受付をずっと停止していた MM2H ですが、条件を変更して10月から受付を再開するというニュースが入ってきました。

本サイトの以下の記事は、現時点で分かる範囲で最新情報に更新してあります。

主な変更点

変更点に関しては、本サイトでも何度か紹介した IKI LINKS さんという業者のページに詳しく載っていますので、まずはそちらのリンクを貼ります。

MM2Hビザが新条件で再開!【申請受付は2021年10月から】 | マレーシア・ジョホールバルへの移住のことならIKI LINKS

リンクを開くのが面倒くさいという人のために、以下にも記載します。

金銭的な負担が大幅増

  • 日本での資産証明
    • 変更前: 50才未満: RM500,000以上 (約1300万円)
    • 変更前: 50才以上: RM350,000以上 (約910万円)
    • 変更後: RM1,500,000(約3900万円
  • 定期預金
    • 変更前: 50才未満: RM300,000以上 (約790万円)
    • 変更前: 50才以上: RM150,000以上 (約390万円)
    • 変更後: RM1,000,000以上 (約2600万円)
  • 必要な月収
    • 変更前: RM10,000以上(約26万円)
    • 変更後: RM40,000以上 (約104万円)
  • 家族のビザの追加
    • 変更前: 定期預金無しで取得可能
    • 変更後: 家族1人につき、RM50,000(約130万円)追加

金額的な要件がかなり厳しくなっていますね。

その他の条件も厳しく

  • マレーシアへの滞在義務
    • 変更前: なし
    • 変更後: 50才未満は、年間90日以上
  • 有効期間
    • 変更前: 10年間
    • 変更後: 5年間
  • ビザ発給費用、申請処理手数料
    • 変更前: ビザ発給費 RM90/年(約2300円)、手数料無し
    • 変更後: ビザ発給費 RM500/年(約1万3千円)、手数料は申請者RM5,000(約13万円)、帯同者RM2,500(約6万5千円)

一番大きいのは、50才未満の滞在義務ですね。今までであれば、「とりあえず取得しておく」という選択肢もありましたが、今後はそれが出来なくなります。

MM2H 以外の選択肢

選択肢は3つ

現状では、マレーシア移住に使えるその他の選択肢として以下の3つがあります。

  • S-MM2H取得
  • マレーシア法人を作って就労ビザ取得
  • ラブアン法人を作って就労ビザ取得

詳細は以下のリンクよりご参照下さい。

どれを選べば良いか

考慮すべき点としては、以下が挙げられます。

  • 住む場所: 日本(すぐには移住しない)、サラワク州以外、サラワク州
  • 用意できる金額
  • 目的: リタイア後の移住、子供の英語教育のために家族で移住、日本の仕事のリモートワーク、etc.

これについては、別途記事を書こうと思います。

感想

今回の変更により、MM2H は準富裕層以上が対象のステータスとなってしまいました。正直言って、この金額を出してまでマレーシアに住みたいという人はそこまで多くないと思います。

8/18に本サイトで公開予定の記事が、比較的安価な EU 圏の投資ビザを扱ったものなのですが(公開しました)、いくつかの国では MM2H より安い金額で投資ビザが取得出来ます。リタイア後の移住目的であれば、同じ東南アジアのフィリピン・タイもありますし、ヨーロッパでもそこまで高くありません。本サイトのリタイアメントビザ情報は、以下のページにまとまっていますので、よろしければご参照下さい。

リタイアメントビザ アーカイブ – 非富裕層向け海外移住情報